視界に霞みや滲みが現れる白内障は、症状が悪化する前に手術で治すことが大切です。さらに、手術した直後は、日常生活やお仕事復帰にあたり注意が必要です。
当院の白内障手術は日帰りで完了するものなので、入院や、お仕事を休む必要はございません。しかし、手術後は感染症が発生しやすい状況なので、お仕事内容によっては安静期間が必要となります。
術後のデリケートな状況でどのように過ごすべきか、正確な知識をいれておきましょう。
白内障手術後、仕事に復帰できる期間は仕事内容によって異なります。
デスクワークは翌日から通常復帰して通勤することが可能です。一方、力仕事や農業など身体に負担が掛かるお仕事は、1か月間の安静が大切です。特に、重いものを持つような作業は、傷口が開いてしまう可能性があります。
仕事内容については主治医にも申告して、手術前に仕事復帰について相談し、必要に応じて安静に過ごすようにしましょう。
身体に負荷の掛からないデスクワークでしたら、翌日から復帰していただけます。
目をこすったり触ったりしないように、気を付けましょう。アイメイクや洗顔は1週間後から可能となります。
力仕事や屋外での作業、配送業などは、1か月間は安静にする必要があります。お仕事以外でも注意して欲しい点ですが、重いものを持つときに、傷口が開いてしまう場合があります。また、屋外で目にゴミが入ったり、患部に触れてしまった場合に、感染症を患ってしまう可能性もございます。
仕事内容はあらかじめ主治医に申告して、どのくらい安静期間が必要かを職場に伝えておきましょう。
術後1週間以内は翌日の検診を含めて何度か診察を受けていただくので、医師に相談のうえ、安全な状況になってから復帰しましょう。
また、運転に関しては休養期間の目安はなく、基準は視力と自覚的な見え方を判断の一つの指標にします。術後の検診にて、視力の様子を見て再開を検討しましょう。
白内障手術後、日常生活において、しばらく洗顔や洗髪は控える必要があります。
顔の汚れが気になる場合は、目の周りに水がかからないようにして、タオルで目元を避けて拭く程度にしましょう。
それぞれ、必要な間隔を一覧化してみました。
※下記はあくまで目安になります。術後の通院で診察を受けながら、主治医にご相談ください。
翌日 | 6日後 | 1週間後 | 1か月後 | |
シャワー | 首下のみ〇 | |||
入浴 | 首下のみ〇 | |||
洗髪 | 〇 | |||
洗顔 | 〇 | |||
アイメイク | 〇 | |||
髭剃り | 〇 | |||
デスクワーク | 〇 | |||
力仕事 | 〇 | |||
軽いスポーツ | 〇 | |||
激しいスポーツ | 〇 |
また、運転に関しては免許取得の際と同様、視力と自覚的な見え方を基準に判断します。そのため、期間に目安はなく、視力の状況で判断しますので医師に相談しましょう。
ほかアウトドアや旅行、特に温泉旅行などは注意が必要となるので、診察状況から医師に判断してもらいましょう。
白内障手術後の過ごし方について、期間別に注意点をご説明します。
当院の手術は日帰りで完了するため、術後そのまま帰宅していただきます。当日は入浴を控えて、安静にお過ごしください。
手術後1週間は傷口が塞がってないため、感染症を患いやすい期間です。術後から目に触れたり、ゴミや埃・水が入ったりしないよう、充分に気を付けて過ごしてください。
手術後は、しばらく目薬を使用していただきます。こちらは大体3か月ほど継続していただきます。診察の都度、医師の指示に従っていただき、決して自己判断で使用をやめないでください。
翌日は、経過観察のために来院していただく必要があります。基本的に翌日から、デスクワークなど身体に衝撃や負担のかからないお仕事は復帰可能です。
シャワーや入浴は首から下のみで、洗顔は濡れたタオルで目元を避けて拭く程度におさめてください。
1週間内はとにかく目元に刺激を与えないように、慎重に過ごしましょう。術後は翌日検診と経過観察で数回の通院が必要な場合があります。ライフスタイルの過ごし方にお悩みがあれば、診察の際にご相談ください。
1週間経過したら、洗顔やアイメイク、軽いスポーツや基本的な日常生活は可能となります。
1か月したら、傷口もほぼ治り、力仕事や重いものを持つこと、アウトドアや激しいスポーツも概ね可能となります。目薬に関しては、術後3か月ほど続けてもらう必要があります。医師の指示に従って、継続してください。
視力が安定していき、来院が月に1回くらいになります。必要であれば、眼鏡をつくれます。
経過が順調でしたら、基本的に目薬の使用が不要になりますが、自己判断せず医師の指示に従ってください。
3か月以降、視界に白い霞みや滲みが感じられたら、後発白内障が発症している可能性があります。後発白内障は、白内障手術で最も多く認められる合併症です。しかしこちらは白内障とは異なる疾患であり、レンズを入れ替えることなく、レーザー手術で数分で治せます。
白内障手術の流れについてはこちらをご覧ください。
白内障手術│流れ・注意点・当院の特徴を説明
白内障手術を受けたあと日常生活で注意することや、仕事復帰についての疑問にお答えします。
当院の白内障手術は日帰り手術でございます。事務やデスクワークでしたら、翌日から通勤していただけます。
しかし、術後は眼の傷口が治っていない状況です。身体に負荷のかかる力仕事や、屋外で動く事の多いお仕事でしたら、1か月間控えていただきます。感染症や刺激による後遺症を防ぐために、経過を観察しながら復帰という流れになります。
まず、術後1週間は傷口が塞がっていない、とてもデリケートな状態です。埃や菌によって、感染症を発症しやすい不安定な期間です。常に目元をこすらないこと、触らないことを意識してください。
目元を濡らすことも感染症の原因となりますので、1週間洗顔は、濡れタオルで目の周り以外を拭く程度にしてください。手術当日はシャワーや入浴は首から下のみで、翌日以降は眼に水が入らないよう注意をしてください。洗髪は5日間は控えください。ほかスポーツなど日常の過ごし方については、都度の診察にて、医師の説明を聞いてください。
術後の状態を安全に保つために、しばらく目薬を毎日使用していただきます。点眼期間は3か月目安になりますが、経過を観察次第、継続していただく場合もございます。
継続については自己判断で止めずに、医師の指示に従ってください。
術後は瞳孔が広がった状況、手術したばかりなので、違和感があるかもしれません。また、人工眼内レンズに変更するため術前とは見え方(コントラストやピント)が変わるため、最初は戸惑われる方もいらっしゃいます。徐々に慣れていくことがほとんどです。
視力は1か月で安定していきます。必要な方は1か月の経過で、裸眼の視力に合わせて眼鏡を作れます。
3か月以上経って視界に霞みや違和感を感じられた際は、後発白内障という合併症が発症している可能性があります。早めに検査を受けましょう。
白内障手術は日帰りで終わるものですが、眼の水晶体を入れかえるという、非常に重要な内容です。手術後1週間以内は、目元に負担が掛からないように、充分に注意してお過ごしください。
お仕事復帰に関しては、ご職業によって復帰できる早さに違いがあります。無理をされて傷口が開いてしまったら深刻な事態になりますので、医師に相談のうえ、安全な状況になってから復帰してください。
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日本眼科学会認定眼科専門医
日本白内障屈折矯正手術学会 理事
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