ドライアイ治療
ドライアイとは

ドライアイとは、涙の分泌量が減ったり、量は十分でも涙の質が低下することによって、眼の表面を潤す力が低下した状態をドライアイと呼びます。
涙の働きは、眼の乾燥を防ぎ、眼に入ったゴミなどを洗い流すだけではなく、殺菌作用もあります。
ドライアイになると、はじめは眼がしょぼしょぼしたり、異物感を感じる程度ですが、重症化すると角膜・結膜の損傷などを起こすことがあります。
高齢化、エアコンの使用、パソコンやスマートフォンの使用、コンタクトレンズ装用者の増加に伴い、ドライアイ患者さんも増えており、その数は日本国内で約800~2,200万人ともいわれています。
また、疲れ眼を訴えて眼科を訪れる人の6割はドライアイが関係しているという調査もあります。
ドライアイチェック
当てはまる目の症状からあなたのドライアイをチェックしてください。
5つ以上チェックが入った方はドライアイの可能性があります。
まずはお近くの眼科に受診されることをお勧めします。
ドライアイの分類
ドライアイは、涙の量が減る病気だと思っていませんか?
しかしドライアイ患者さん全体の約80%は、涙の量は十分でも涙の質が低下している「質的な異常」であり、涙の分泌量が減っている「量的な異常」の患者さんと比べて圧倒的に多いことが分かっています。また両者の混合型の患者さんもいらっしゃいます。
涙の3層構造と安定性
涙は外側から「油層」「水層」「ムチン層」の3 層に分かれています。涙の質を良好な状態に保つためには、これらの層のバランスを維持することが大切です。
油層はまぶたにあるマイボーム腺から分泌される油の層で、涙の蒸発を防いだり、涙が目の表面に均一に広がることを助けるなど、涙の安定性を保つためにとても重要な働きを担っています。
しかし、何らかの原因によってマイボーム腺の機能が低下してしまう状態を、「マイボーム腺機能不全( Meibomian Gland Dysfunction MGD )」といいます。 MGD では油の分泌が減ってしまうため、油層の形成が不完全になり、これによって涙の蒸発が亢進してドライアイになることがわかっています。ドライアイ患者さん全体の実に86%がMGDであることが報告されています。
- ❶油層
- 目の表面に油膜をつくり、涙の蒸発を防ぐ。
- ❷水層
- 涙の大部分(98%)を占める層。
目の表面を潤すだけでなく、角膜へ酸素や栄養分を補給する。
- ❸ムチン層
- 涙が目の表面から流れ落ちないようにする“のり”のような役割。
ドライアイになりやすい要因
- 加齢
- 涙は加齢とともに減少します。50代以上の涙液量は20代と比べ約4割も減少します。
- 性別
- 男性よりも女性のほうがドライアイになりやすいといわれています。
- 空気の乾燥
- 空気が乾燥していると、眼の表面から涙液が蒸発しやすくなります。
そのためドライアイの人の多くは、秋から冬にかけて症状が強くなります。湿度が高い夏場でも、クーラーの利いた部屋にいると眼が乾きます。
- パソコンや携帯電話
- 通常、意識しなくても3秒に1回ぐらいまばたきをしますが、なにかに集中していると、まばたきの回数が滅ります。
例えば読書で6秒に1回ぐらい、パソコン操作で十数秒に1回程度になります。
その結果、涙液の蒸発が進む反面、分泌は低下し、涙の膜が途切れてしまいます。
最近はパソコンやスマートフォンなどの普及により、VDT症候群※1と呼ばれる状態の人が増えています。
- まばたきが不完全
- まばたきの瞬間しっかりまぶたを閉じていない人は、まばたきをしても眼球表面の下の方はいつも潤わないことになります。
眠っているとき薄目を聞いている人や、コンタクトレンズをしている人に多い傾向があります。
- コンタクトレンズの装着
- コンタクトレンズが水をはじくために、眼が乾燥することがあります。また、角膜が覆われてその感度が鈍くなることや、瞬きが不完全になることで、涙の分泌が低下します。
レンズの汚れや傷が涙の膜を不安定にしたり、結膜のムチン分泌を低下させることもあります。
- アイメイク
- 近年では若い女性のドライアイの原因にアイメイクがあげられます。
アイメイクはまつ毛の内側にアイシャドウやアイラインを入れるので、このマイボーム腺の出口がメイクで塞がれ、脂質の分泌がされにくくなり、涙が蒸発しやすくなり、ドライアイを引き起こします。
- 薬の副作用
- 血圧を下げる薬や向精神薬など「抗コリン作用」を持つ薬では、涙の分泌量が減少することがあります。また点眼薬に含まれる防腐剤などの影響で角膜に傷がつくことがあります。
- 眼科手術
- 屈折矯正手術(LASIK)や白内障手術によって涙の分泌量が低下することがあります。
- マイボーム腺機能不全(MGD)
- マイボーム腺の機能は加齢や炎症などによって低下します。これによって油層の形成が不完全となり、涙の蒸発が亢進してドライアイになることがわかっています。
- シェーグレン症候群
- 中年の女性に多い病気で、眼や口、鼻などの粘膜が乾燥し、関節痛が起きることもあります。
涙はほとんど分泌されず、強いドライアイの症状が現れます。
- 結膜炎など
- 近年患者数が増加しているアレルギー性結膜炎などでも、結膜のムチン分泌が減り、ドライアイを招きます。
以上のような、環境要因の影響力が強いドライアイは”眼の生活習慣病”といえます。
※1 VDT症候群:VDT とは、Visual Display Terminal画像表示端末、つまり、パソコンやテレビ、携帯電話などのことです。 これらの操作時は、画面を見ることに集中し、まばたきの回数が極端に減ったり視線を激しく移動するため、眼に大変負担となり、疲れ眼やドライアイを引き起こします。 また、頭痛やめまいが起きることもあります。
ドライアイの検査
通常のドライアイ検査では、涙の量や質、目の表面の状態を調べることが一般的です。
当院ではドライアイに関わる各検査を一台でこなすことができる最先端の検査機器「idra」を用いて、ドライアイの原因をさまざまな角度から非侵襲かつ定量的に検査します。
涙液メニスカスの測定
涙液メニスカスとは、下まぶたと角結膜が接する部位に形成される「涙の溜まり場」のことです。
涙液メニスカスに溜まった涙の高さを測定することで涙の量を測定することができます。(正常値:約0.2mm)
涙液層破壊時間(Break Up Time BUT)検査
涙は、まばたきによって角膜の表面に広がります。しかし時間がたつにつれ、涙の膜が壊れて角膜が露出する部分が生じてきます。これが起こるまでの時間をBUTといい、正常であれば10秒以上で、5秒以下になると涙の質に以上があると判断されます。
通常は角膜をフルオレセインという色素で染色して行うことが多い検査ですが、idraでは染色なしで非侵襲的に検査を行えます。
油層の分泌量・厚みの測定
油層がどのような状態にあるのかを観察し、ドライアイの原因を判別します。油層の分泌量や厚みに異常がある場合は、MGDが疑われます。
マイボーム腺の評価
マイボーム腺の状態をさまざまな角度から観察し、MGDの程度や範囲、マイボーム腺開口部(分泌口)の詰まり具合を評価します。
ドライアイの治療
ドライアイには専門的な治療が効果的です。
主な治療には下記のようなものがありますが、ドライアイのタイプや症状、程度に応じて適した治療を行うことが大切です。
点眼治療
症状が軽い場合は、潤いを持たせる点眼薬で緩和させることができます。
最近では、正常に機能していない涙の層をターゲットとしたより効果的な治療ができるようになりました。
涙点プラグ
「涙点」とは目頭にある涙の排出口で、上下に一つずつあります。
点眼治療だけでは症状が改善しない場合には、涙点に栓(涙点プラグ)をして、涙を目の中に溜める治療を行います。プラグの大きさや材質など、色々なものが開発されています。
マイボーム腺開口部の洗浄・MGD の治療
マイボーム腺開口部に汚れや老廃物などによる詰まりが生じると、油層の分泌を妨げる要因となります。また、まぶた周辺のフケやほこりなどは油汚れと混じり、まつ毛ダニの発生の原因にもなりますので、まぶたの縁を清潔に保つことが大切です。
IPL光線療法は MGD の新たな治療法として注目されており、マイボーム腺開口部の詰まり解消やまつ毛ダニの感染抑制などに効果があることが報告されています。
当院のドライアイ治療(IPL光線療法)
先進会眼科では世界で行われているドライアイ治療『IPL光線治療』を行います。
日本で行っている主な治療 |
世界標準のドライアイ治療 |
1)点眼にて症状コントロール
2)涙道閉鎖 (キープティア、涙点プラグ)
3)温罨法
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1)IPL光線治療
2)特殊点眼処方
3)まぶたの洗浄 (マイボシャンプー等)
4)温罨法
5)オメガ3脂肪酸の内服
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IPL光線療法とは
IPL光線療法は、マイボーム腺機能不全(MGD)を改善する画期的な治療法です。海外の学会でもその成果が報告されており、侵襲が少なく効果が高いことから注目を集めています。
先進会眼科では、「ルミナスM22 IPLシステム」によるIPL光線療法を行っております。
IPL(Intense Pulse Light)という幅広い光を照射することで、マイボーム腺脂の溶解だけでなく、炎症を抑え、デモデックス(顔ダニ)を減少させ、肌のコラーゲンを再生させる効果があります。
手術のように外科的治療ではなく光線療法のため、患者様への負担も少なく、眼球に刺激をあたえることもありません。
治療の流れ
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02<1回目>IPL光線療法
費用 15,000円(税別)
- 3~4週間後
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03<2回目>IPL光線療法
費用 15,000円(税別)
- 3~4週間後
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04<3回目>IPL光線療法
費用 15,000円(税別)
- 3~4週間後
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05<4回目>IPL光線療法
費用 15,000円(税別)
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4回目以降は、1年に1~2回はメンテンナンスにご来院ください。
施術後の注意事項
治療後、短期間皮膚が赤みを帯びやすくなりますが、ほとんどの場合、2~3時間で元に戻ります。
皮膚の弱い方など、まれに浅達性熱傷による赤みやヒリヒリ感がしばらくでる場合がありますので、治療後約2週間は紫外線に当たるときは照射部位に日焼け止めクリームを塗ることをお勧めします。
洗眼、入浴、化粧等、日常生活上の制限は特にありません。
ドライアイ治療の費用
通常価格 | 1回15,000円(税別)×4回=合計60,000円(税別)
<5回目以降>15,000円(税別) |
お得なIPL光線療法4回セットプラン | 36,000円(税別)
<5回目以降>8,000円(税別) |
※健康保険適応外(自費診療)です。
※初回IPL光線療法時にお支払いいただきます。
※途中断念となった場合も、返金を致しかねます。
※セットプラン(4回目まで)の有効期限は、1回目の照射より半年以内となります。
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