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白内障の原因は老化現象によるものが大半を占めます。
しかし、生活習慣病やアトピー性皮膚炎の合併症などから、最近は若年層の発症率が増加傾向にあります。
ここでは白内障の症状や原因、そして予防法について解説していきます。
そもそも白内障とは、目のレンズの役割を果たす、水晶体という器官が白く濁ることで、視界が霞んだり視力が低下したりする病気です。
発症にいたるさまざまな原因を知るうえで、まずは、“先天性白内障”と“後天性白内障”という大枠を捉えておくことが重要です。
以下で詳しく解説しますので、ぜひご一読ください。
遺伝や胎内感染などが原因で、生まれつき水晶体が濁る病気を、先天性白内障といいます。
急激に症状が悪化するのは稀なので、お子さまが発症していても経過を観察するのが一般的です。
しかし、普段の様子から見え方に異常があると判断した際や、瞳の中が白濁している際には、速やかに眼科を受診しましょう。
なお、先天性白内障は生まれつき発症するものなので、早期に発見でき、大人になってから発覚することはほとんどありません。
ですが、30~40代で発症する“若年性白内障”では、先天性白内障の進行が原因の一つだとされているため、一概に切り離して考えることはできないのです。
後天性白内障とは、日常生活を送るなかで、さまざまな要因によって引き起こされる白内障のことです。
加齢が原因で発症する白内障も、後天性白内障の一つに数えられます。
しかし、若い世代の発症率は年々高まってきており、一概に加齢だけが白内障の原因とは言い切れません。
具体的な原因は、後天性白内障の種類によって異なるため、以下にまとめた内容をご確認ください。
【後天性白内障の主な種類と原因】
後天性白内障の種類 | 原因 |
---|---|
加齢白内障 | 加齢に伴う眼内への老廃物の蓄積や、水晶体に含まれるタンパク質の変質 |
若年性白内障 | 先天性の要因のほか、過度のストレスや生活習慣病など |
外傷性白内障 | 目への物理的な衝撃や異物混入など |
アトピー性白内障 | アトピーによるかゆみで、目をこすったり叩いたりすることでの過度の刺激 |
上記のなかでも、加齢白内障以外の3つは、年齢が若い方でも発症するおそれがあります。
原因はさまざまですが、普段の生活を見直すことで予防できる場合があるので、「まだ若いから大丈夫」と気を緩めずに、健康的な生活を心がけましょう。
なお、加齢白内障の原因については、後ほど詳しく解説するので、そちらもあわせてご確認ください。
白内障は眼のレンズにあたる組織、水晶体が白く濁る病気です。
主な原因は加齢によるもので、長年、紫外線曝露などで水晶体にダメージが蓄積していくことが濁りの原因といわれています。60代以上の8割が罹ると言われています。
しかし、最近はその他疾患の合併症などから、若年症の発症率も増加しつつあります。
白内障によって水晶体が濁ると、見え方において多くの不便が生じます。視界の霞みや滲みだけでなく、屋外や夜間で眩しく感じるなど、症状には個人差があります。
何れも日常生活に不便を感じるようになったら、手術を検討する必要があります。
白内障の概要や症状については、こちらをご覧ください。
白内障とはどんな病気?種類・原因・症状・治療について
白内障の症状と見え方│まぶしく見えるのはなぜか
正常な眼は、外から入ってきた光を、眼の表面である角膜と水晶体で屈折します。そして網膜(眼のフィルムに該当する組織)に焦点を結び、像を映し出します。
しかし、白内障によって水晶体が濁っていると、光の適切な屈折が行えず、散乱を引き起こします。
そのため屋外に出た時や夜間でライトを見る時、光が乱反射して眩しく感じることがあります。
特に夜間での運転中、対向車のライトが強い光に感じる症例が多いです。
眩しく感じることから、見えづらさが生じます。
白内障の症状が進行すると、水晶体の白い濁りは周囲から瞳孔の領域に達していきます。
瞳孔は網膜に像を結ぶ光の通り道ですが、そこに濁りが浸透すると適切な光を網膜に届けられなくなります。
そうなると視界に霞みや滲み、ぼやけなどが発生し、視力低下に繋がります。
一度、白い濁りが瞳孔に達してしまうと、そこから視力低下は進行していきます。
初期症状(瞳孔に届くまで)は自覚症状がないため、検査で早期発見が可能です。具体的には瞳孔を広げる目薬をしての検査を行うことで水晶体の濁りがあるかを確認することができます。
水晶体はカメラで例えると、レンズに該当する組織です。カメラと同じように眼も、レンズである水晶体が濁ると視界がぼやけて霞んでいきます。
白内障は放置していると進行していく病気です。
最初は水晶体の周りから濁り始めますが、白い濁りは光の通り道となる瞳孔まで届いてしまいます。一度瞳孔まで届くと、水晶体の濁りが視界に現れ、霞みが生じます。
霧がかったような霞みを感じたら、早めに検査を受けましょう。
白内障を発症するメカニズムをひも解く鍵は、“水晶体のタンパク質”にあります。
水晶体の透明性を維持しているのがタンパク質で、これが酸化することで白く濁り、白内障を引き起こすからです。
酸化の要因としては、紫外線や熱、過度の衝撃などが挙げられ、加齢による影響も含まれます。
では、加齢によって水晶体のタンパク質が濁るのはなぜでしょうか。
人間の身体にはタンパク質を代謝する分解酵素が備わっており、古いものを分解して新たなタンパク質に作り変えています。
このおかげで、目の細胞を若々しいまま維持できるわけですが、加齢や病気などでその機能が鈍くなると、水晶体に代謝できないタンパク質が溜まってしまいます。
そうすると、溜まったタンパク質は大きな塊となって蓄積し、次第に水晶体を白く濁らせていくのです。 一度濁ってしまったタンパク質が元に戻ることはなく、視力を改善するためには、手術で濁った水晶体を取り除いて、人工レンズを挿入しなければなりません。
白内障の発症原因は、加齢によるものが殆どです。60歳以上の高齢者の8割に発症するといわれています。
しかし、一概に加齢だけとは言えず、生活習慣病やアトピー性皮膚炎、怪我なども白内障の発症原因に繋がります。このような、合併症や外的要因による白内障は、若年層にも発症するものです。
若年層から白内障になりやすい方の特徴を含め、原因についてご説明していきます。
白内障の初期症状については、こちらをご覧ください。
白内障の初期症状|原因と予防
白内障は老化現象の1つであり、症例の大半が加齢による老人性(加齢性)白内障に該当します。
眼のレンズである水晶体は、タンパク質によって構成されている組織です。長年、水晶体が紫外線曝露を受けることで、水晶体にはダメージが蓄積していきます。そうするとタンパク質が変性していき、水晶体に濁りを蓄積していきます。
水晶体の濁りは周囲から中心に向かって広がります。なので、加齢性白内障は初期は自覚症状が感じられず、瞳孔に濁りが達してから視界に悪影響が現れます。
若年性の白内障については、こちらをご覧ください。
若年性白内障について|原因と手術方法
白内障は老化現象ではありますが、発症する年齢は個人差があります。
日常生活において眼に紫外線曝露や外部刺激を多く受けているほど、水晶体のダメージは蓄積していきます。
発症が早い方だと、40代から水晶体が濁りはじめ、症状は進行していきます。
40代では全体の約20%に症状が見られ、50代で約50%、60代で約80%、80代ではほぼ100%に初期症状が認められています。
40代と80代となると、かなり発症年齢に差がありますね。
若いうちから眼や身体に負担ない生活を意識していくことが、非常に大切です。
加齢だけでなく、糖尿病や高血糖値も白内障の大きな原因となります。
高血糖値が続くと糖はタンパク質と結びつき、AGEsと呼ばれる糖化産物を発生させます。糖化は肌老化に大きく影響を及ぼしますが、健康への悪影響も報告されています。
AGEsは水晶体に蓄積しやすく、白内障を引き起こす原因に繋がります。
普段からAGEsを多く含む食品には注意して、バランスの良い食生活を意識して過ごしましょう。
白内障のなかでも、先天性白内障を発症する原因の一つに、遺伝があります。
原因となる遺伝子は複数報告されており、そのなかでも、“クリスタリン遺伝子”の変質が大きく影響していると考えられています。
クリスタリン遺伝子とは、水晶体に存在するタンパク質の一種である“クリスタリン”を構成する遺伝子のことです。
クリスタリンが水晶体の透明性を維持する役割を担っているので、これを構成する遺伝子に変質がある場合は、白内障を発症する可能性が高まります。 お子さまがいるご家庭では、ご家族に先天性白内障を患った方がいる場合、遺伝していることも視野に入れて、一度眼科で検査してもらうのも一案です。
白内障は進行性の病気であるため、症状がたとえ軽度だとしても、放置しておくのは賢明ではありません。
なぜなら、最終的に失明につながるおそれがあるからです。
白内障が進行すると、日本人が失明する原因の第1位の、“緑内障”を発症する可能性が高まります。
緑内障を発症した場合、欠損した視野を戻す治療法はまだ開発されておらず、二度と視界が戻ることはないのです。
ご自身の大切な目を守り、正常な視力を維持したいのであれば、見え方に少しでも違和感があったら、放置せずに速やかに眼科を受診してください。
白内障は老化現象なため、いつかは発症してしまう病気です。少しでも発症や進行を遅らせるためには、普段の生活から予防意識を持つことが非常に大切です。
極力目元に負担をかけないこと、生活習慣病を予防することを意識しましょう。
紫外線は365日放射されており、肌や目にダメージを与えます。長年紫外線を浴びていくことで水晶体にダメージが蓄積されていき、白内障の発症へと繋がります。
そんな紫外線による水晶体へのダメージを防ぐには、サングラスの使用がおすすめです。色が濃すぎるものは視界が暗くなり目が疲れるので、薄いものを選びましょう。もちろんサングラスに限らず、UVカット眼鏡なども効果的です。
つばの広めな帽子や日傘と併用することで、より強いUVカット効果が期待できますね。
生活習慣病は若年層の白内障発症原因にあげられます。喫煙や糖尿病、AGEsを含む食品の過剰摂取などは、注意が必要です。
1日3食、バランスの良い食事を心がけましょう。バランスの隔たった食事や、食事を抜いたりすることは、血糖値の上下を激化させます。そうなると、血管に負担が掛かります。
コーラやスナック菓子などはAGEsを多く含むためなるべく控え、ビタミンCやルテインなど抗酸化力のある栄養素を摂るように意識しましょう。
適度な運動や禁煙なども、生活習慣病の予防になります。
白内障の悪化を防ぐ方法には、目の周りの血流を良くすることも挙げられます。
血流が悪くなると、身体にさまざまな不調が現れますが、目も例外ではないからです。
目の周りを温める場合、簡単なのは蒸しタオルを用意して、数分間まぶたの上にのせて温める方法です。
蒸しタオルは電子レンジを活用して準備してもよいですし、入浴時にお湯で濡らしたタオルを目に当てるだけでも、血流の改善が見込めます 。
また、眼球エクササイズで目の周りのコリをほぐしたり、ウォーキングやジョギングなどで体を動かしたりすることも、白内障の予防につながります。
目には非常に多くの毛細血管がありますので、血流の改善によって正常に酸素や栄養を供給し、それと同時に老廃物の排出も促進することが重要です。
白内障の原因についてや、予防を行うにあたり大切なポイントをお伝えします。
白内障の大半は加齢による老人性白内障が占めます。老化現象として水晶体が白く濁っていくことが、主な原因になります。
60代以上の8割に見られる病気ですが、早い人だと40代から水晶体の濁りが始まります。紫外線などの外部刺激の蓄積が多いほど、発症しやすいかと考えられます。
また、若年層の白内障の原因として、アトピー性皮膚炎や生活習慣病、目の病気との合併症も挙げられます。
アトピー性皮膚炎によって目をこすってしまったり、ステロイドを使用していることが、刺激になりうるからです。目元を怪我した際も、同様です。
生活習慣病においては高血糖値が続いた場合、糖化産物AGEsが水晶体に溜まりやすくなり、濁りの原因となります。
紫外線によるダメージが水晶体に蓄積していくと、白内障の原因へと繋がります。そのため、若いうちから紫外線から目元を守ることが大切です。
サングラスやUVカット眼鏡、日傘や帽子を着用して紫外線ダメージを防ぎましょう。紫外線は夏だけでなく、365日放射されています。
天気の良い日はもちろんですが、曇りの時も予防が必要です。
また、スマホやパソコンから放射されるブル―ライトも肌同様、目に負担を与えます。普段からディスプレイを暗めにして光の強さを抑える、ブル―ライトカット眼鏡を使用するなど、万全に対策しましょう。
体内で酸化ストレスや糖化ストレスが蓄積していくと、糖尿病などの疾病と同様、白内障の原因に繋がります。
糖化を促すAGEsを多く含む食品(炭酸飲料やスナック類など)は摂取量に注意が必要です。
抗酸化効果の高いビタミンを含む果物や野菜を意識的に摂取しましょう。ビタミンCやルテインのサプリメントもおすすめです。
ご自身の目のセルフチェックを実施すれば、白内障を罹患しているのかを判断する際の目安になるかもしれません。
具体的なチェック項目は、以下をご参照ください。
白内障のセルフチェックの項目
上記のうち、5項目以上に当てはまる場合は、白内障の罹患が疑われます。
該当する項目が多いほど、白内障を患っている可能性が高まるので、少しでも不安がある方は、医師に相談してください。
目に強い衝撃や外傷を受ければ、片目だけ白内障になる可能性もあります。
片目の視力の低下や、見え方の違和感は、普段両目を使っているときには気づきにくいため、目の近くを怪我したら眼科も受診するのが望ましいです。
また、片目だけだからといって、白内障を放置しておくのは避けましょう。
片目の視力が極端に落ちたまま数年の時間が経つと、両眼でものを見る力そのものが減退してしまうケースがあるのです。
このような状態で、日常生活に不都合が生じる前に、ご自身の適切なタイミングで、できるだけ早く治療を受けることが大切です。
白内障の原因は大半が加齢によるもの。老化現象として避けられなものですが、生活上の意識で、発症を予防することは出来ます。
サングラスやUVカット眼鏡、帽子などを用いて紫外線による光ダメージから目元を守るようにしましょう。
水晶体のダメージの蓄積や、生活習慣の乱れが激しい人ほど、白内障の発症年齢が早くなる可能性があります。
日々の生活に注意しながら、定期的に検査を受けて、眼の状況や視力を確認することが大切です。
日本眼科学会認定眼科専門医
日本白内障屈折矯正手術学会 理事
先進会眼科 理事長
略歴
聖マリア病院 眼科 外来医長
福岡大学筑紫病院 眼科
村上華林堂病院 眼科
福岡大学病院 救急救命センター
福岡大学病院 眼科
愛知医科大学卒業
福岡県立嘉穂高校卒業
医師資格番号
医師免許番号 381664
保険医登録番号 福医29357
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