ICLは県民共済で保険適用にならない|手術費用で知っておきたいこと
ICLは眼のなかに眼内レンズを挿入するインプラント手術です。近視などを矯正するための視力矯正手術のひとつで、メリットを感じる人が多く、最近受ける人が増えています。
ですが、自由診療のため治療費用は高額になりがちです。「ICLを検討しているが、できるだけ費用を抑えたい」という方も多いのではないでしょうか。保険会社によっては適応になる場合もありますが、県民共済では適応外です。しかし、確定申告によって医療費控除の対象となり、税金の還付を受けられます。
この記事では、ICLに関する費用や保険適応について詳しく解説します。
ICLとは
ICL手術は、乱視や遠視、近視を矯正する視力矯正手術のひとつです。眼内コンタクトレンズとも呼ばれ、眼のなかに眼内レンズを挿入することで視力を矯正します。術後は裸眼で良好な視力を得ることが期待できるため、メガネやコンタクトの煩わしさから解放されます。
耐久性と安全性を考慮した素材から作られているレンズは、長期的に眼のなかに入れられると考えられており、基本的に交換の必要はありません。近視のリバウンドもほぼなく、長期的に視力が安定する持続性がメリットの一つです。
一度入れたレンズは必要に応じて取り外すことができる点もメリットのひとつです。術後の見え方に納得がいかなかった場合は、再手術によるレンズ交換も可能です。あるいは、将来白内障など眼の病気になった場合でも治療や手術のためにレンズを取り出せます。
ICL(眼内コンタクトレンズ)とは│費用・他の手術との違いなど
一方で、手術に一般的にみられる合併症や副作用として、ICL手術にも下記を伴う可能性があり報告されています。
確率は高くないものの、結膜炎、急性角膜浮腫、持続性角膜浮腫、眼内炎、ハロー・グレア現象、前房出血、前房蓄膿、眼感染症、レンズ偏位、黄斑浮腫、瞳孔異常、瞳孔ブロック緑内障、重篤な眼炎症、虹彩炎、硝子体脱出、角膜移植があげられます。
また、稀ですが、炎症や角膜内皮減少、高眼圧、白内障などの合併症が起こった場合は追加の手術処置が必要になることがあります。
手術である以上、リスクはゼロではなく、挿入したレンズが合わない可能性も考慮しておきましょう。
ICLの費用
ICL治療は健康保険の適応外のため、自由診療となります。費用相場は、両目45.1万円~66万円(税込み)と高額です。レンズの種類や医療機関によって、費用には大きな差があります。度数の強いレンズや乱視矯正ができるレンズは比較的高額となります。
先進会眼科での手術費用は、両眼45.1万円~52.8万円(税込)です。乱視矯正が必要な場合は、追加11万円で両眼とも乱視用レンズに変更できます。術後1年間の定期検診代とアフターケアを含んだ手術費用であり、定期健診以外にも、気になる症状の相談・対応を無料で行っています。
先進会眼科での費用詳細については、下記のページをご覧ください。
ICLは保険適応になるか
レーシックと比較しても、ICLは費用が高額です。手術を検討している方は、少しでも出費を抑えたいでしょう。
ここではICLに関する保険適応について、詳しく解説していきます。
ICLは健康保険適応外
ICLは健康保険の適応外であるため、治療費用は全額負担の自由診療です。
同じ視力矯正手術のレーシックも保険適応外ですが、この2つを比較するとICLの方が手術費用は高額となります。
県民共済では保険適応外
結論から言うと、県民共済(都道府県民共済)でもICL治療は保険適応外です。
県民共済の規約には、疾病を直接の原因としない視力矯正手術は対象にならないと明記されています。「疾病を直接の原因としない」とあるため、特例として何らかの病気や怪我に起因してICL手術が必要と医師が判断して行った場合には給付対象となる、としている共済もあります。
ちなみに県民共済とは、非営利団体の全国生協連が運営している保険事業です。掛け金が手ごろで、保障の幅も広いため根強い人気があります。
保険によっては適応になる場合もある
県民共済では残念ながら、ICL治療は適応外です。
しかし、その他の保険会社では、契約内容によってはICL治療で給付金を受け取れる場合があります。
保険会社に問い合わせてみる
保険会社によっては、ICLで手術給付金が受け取れる可能性があります。
保険の契約内容や加入時期によっても条件が異なるため、給付金の対象になるか、いくら給付されるのかなど、詳しくはご加入されている保険会社に問い合わせてみましょう。
ICLの費用面で知っておきたいこと
ICLは公的健康保険に適応されず自由診療であり、県民共済でも適応外の治療法です。
加入している保険会社に問い合わせて給付金の対象でなかった場合でも、ICL治療の費用を抑える手段はあります。
ここでは、保険以外で費用の負担を軽くするための選択肢と、ICLの費用面で知っておきたいことを解説します。
医療費控除を利用する
ICL治療は、医療費控除を利用できます。医療費控除の対象は健康保険だけでなく自由診療での治療も含まれるためです。
医療費控除とは、1月から12月の1年間に支払った医療費の合計が10万円を超える場合、税金の還付が受けられる制度です。ICLは高額な治療のため、少しでも負担を減らしたい場合は医療費控除を忘れずに申請しましょう。
医療費控除の申請には、確定申告を行う必要があります。確定申告の手続き時に手術の領収書が必要なため、大切に保管しておきましょう。会社員の場合、勤めている会社で毎年年末調整を行っていると思います。しかし、医療費控除を申請するには会社とは別に個人で確定申告手続きが必要です。給与所得のある方は、確定申告の際に源泉徴収票の原本も必要となるため、準備しておきましょう。
加えて、医療費控除は過去5年分までさかのぼって申請できることも覚えておいてください。
高額医療費制度は利用できない
ICL治療は、高額医療費制度を利用できません。高額医療費制度では医療費控除とは異なり、健康保険対象の医療費にのみ適応されるためです。
高額医療制度とは、手術など1箇所の医療機関に支払った医療費が高額になった月に、ある決められた金額(自己負担限度額)を超えた分が払い戻される制度です。
限度額は、被保険者の年齢や所得によって異なります。詳しいことは保険証の発行元に確認してみてください。
ICLとレーシックの保険適応の違い
レーシックも自由診療です。そのため高額医療費制度は利用できませんが、医療費控除は利用できます。ICLと同じく県民共済は給付対象となりません。
このように、ICLとレーシックの保険適応は同じです。しかし、保険会社によっては、それぞれ適応されるもの、されないものという違いがあるかもしれません。まずはご加入されている保険会社に問い合わせてみましょう。
ICLとレーシックで保険適応の条件は同じですが、手術費用はレーシックの方が安い傾向があります。
先進会眼科でのレーシック手術費は、両眼19.8万円~38.5万円(税込)です。レーシック手術には種類があるため、種類によって費用が異なりますが、どれも術後3ヶ月の定期検診代・アフターケア代が含まれています。ICLの場合、両眼45.1万円~52.8万円(税込)のため、比較するとレーシックの費用の方が手ごろであることがわかります。
ICLとレーシックの費用や保険適応については下記のページをご覧ください
レーシックもICLも眼の手術である以上、リスクもゼロではありません。必ず医師の説明を受けて納得してから受けるようにしましょう。
まとめ
ICL手術は、県民共済で保険適応にはなりません。その他の保険会社では、給付金が受け取れる場合があるかもしれません。
加えて、健康保険が適応されず自由診療のため、治療費用は高額になります。少しでもICLの費用を抑えたいという場合は、医療費控除を利用しましょう。税金の還付を受けることが可能です。医療費控除の申請には、確定申告手続きを行う必要があります。ICL手術を行った際の領収書は、確定申告で必要なため大切に保管しておいてください。
ICLは、同じ視力矯正手術であるレーシックと比べても費用が高額です。しかし、その分のメリットもあると考えられるケースがあります。
先進会眼科では、ICL手術費用に術後1年間の定期検診代、アフターケア代も含まれており、術後に気になる症状があった場合は気兼ねなくご相談していただけます。
ICL治療に興味がある方は、お気軽に相談にいらしてください。
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日本眼科学会認定眼科専門医
日本白内障屈折矯正手術学会 理事
先進会眼科 理事長
略歴
聖マリア病院 眼科 外来医長
福岡大学筑紫病院 眼科
村上華林堂病院 眼科
福岡大学病院 救急救命センター
福岡大学病院 眼科
愛知医科大学卒業
福岡県立嘉穂高校卒業
医師資格番号
医師免許番号 381664
保険医登録番号 福医29357