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医療者に選ばれる眼科医療

先進会眼科コラム

老眼

 

ものが二重に見えるのは老眼のせい?その他の原因や対策も解説

ものが二重に見える場合、老眼の疑いがあります。
老眼を放置しておくのは危険なため、心当たりがある方は早めにクリニックで検査を受けましょう。

この記事でわかること

  • ものが二重に見える際に考えられる原因
  • 老眼でものが二重に見えるメカニズム
  • 老眼かどうかを判断するためのセルフチェック法
  • 老眼を放置するリスク
  • 老眼の治療・対策方法
  • 老眼を予防するための生活習慣・トレーニング

日常生活のなかで、ものが二重に見えることはありませんか?
その症状のほとんどは、疲れや寝不足からくる一過性のものにすぎません。
ただし慢性的に症状が続く場合は、老眼や脳の疾患など、思いがけない危険が潜んでいる可能性もあるため、注意が必要です。

そこで本記事では、ものが二重に見える原因とその対策を解説します。
少しでも心当たりがある方は、ぜひ最後までご覧ください。

ものが二重に見える際に考えられる原因

ものが二重に見える際に疑われる原因として、以下の9つが挙げられます。

ものが二重に見える原因

  1. 老眼
  2. 白内障
  3. 緑内障
  4. 眼精疲労
  5. ドライアイ
  6. 糖尿病性網膜症
  7. 加齢黄斑変性
  8. その他視神経の異常
  9. 脳梗塞をはじめとする脳の疾患

それでは、一つずつ確認していきましょう。

老眼

ものが二重に見える原因として、まずは老眼が考えられます。

老眼は、非常に身近な目のトラブルです。
一般的に40歳を過ぎたあたりで発症する方が多く、近くのものが見えにくかったり、すぐに目が疲れたりといった症状が表れます。
ただし近年では、スマートフォンやパソコンなどのディスプレイを長時間見つづけることで発症する“スマホ老眼”も問題になっており、年齢問わず注意が必要です。

白内障

白内障を発症すると、水晶体が混濁することで、目のかすみや光を通常よりも眩しく感じるなどの不調を引き起こし、視界の違和感の一因となります。

主な原因は加齢で、50歳以上の方は半数近く、80歳以上の方にいたってはほぼ全員が発症する病気です。
日常生活に支障をきたすほど症状が進行した場合には、水晶体を人工のものに置き換える手術で治療できます。

緑内障

頭痛や吐き気などの症状が伴う場合は、緑内障の可能性があります。

緑内障は、眼圧が高まって視神経を圧迫し、視野が狭くなる病気です。
この病気の厄介なところは、進行が初・中期の段階では自覚症状がほとんどなく、眼科に行かなければ発見しづらいという点です。
そのうえ失明につながる危険な病気でもあるため、定期的に眼科を受診するよう心がけましょう。

眼精疲労

十分な睡眠をとっても目の疲れが改善されない方は、眼精疲労かもしれません。

眼精疲労には、さまざまな要因があります。
代表的なのは目の酷使によるもので、度が合っていないメガネを無理に着用していたり、デスクワークで長時間ディスプレイを見つづけたりすると、症状が表れやすくなります。
老眼や白内障などの病気に起因するケースも少なくないため、「ただ目が疲れているだけだから大丈夫」と油断せずに、適切な検査を受けてください。

ドライアイ

ドライアイは、視界がぼやける原因の一つです。

目の表面には通常、涙の膜が張られており、菌や異物、乾燥などから眼球を守る役割を果たしています。
それがさまざまな原因によって失われることで、目の違和感や視界のかすみなどの症状が表れるのです。

“意識的にまばたきをする”“目薬を適切に用いる”など簡単な予防法もあるので、日常生活のなかで意識してみるとよいでしょう。

糖尿病網膜症

糖尿病を患っており、なおかつ目の不調を感じている方は、糖尿病網膜症の疑いがあります。

糖尿病網膜症は、糖尿病の合併症の一つです。
高血糖の状態が続き網膜の毛細血管が傷つくことで、視力の低下や出血を引き起こし、最悪の場合失明に至るおそれもあります。
手遅れになる前に、糖尿病の治療と並行して、目の検査を受けることが大切です。

加齢黄斑変性

視野の中心部分が二重に見える症状は、加齢黄斑変性に多く見受けられます。

加齢黄斑変性は、加齢が原因で眼底にある黄斑部に異常が起き、視野の中心部分が見えにくくなる病気です。
“萎縮型”と“滲出型”の2種類があり、症状の表れ方や治療法が異なります。

脳梗塞をはじめとする脳の疾患

ものが二重に見える際にもっとも注意しなければならないのが、脳梗塞をはじめとする脳の疾患です。

目の異常は、必ずしもその原因が目にあるとは限りません。
「年齢から考えて、そろそろ老眼になってきたかな?」「寝不足で目が疲れているだけだから大丈夫」など、自身で決めつけるのは非常に危険です。
脳梗塞や脳腫瘍など命にかかわる疾患に起因している可能性もあるため、どんなに小さな目の違和感だとしても、すぐに検査を受けてください。

老眼でものが二重に見えるメカニズム

老眼でものが二重に見えるのは、ピントを合わせる機能が衰えているからです。

老眼とはそもそも、加齢に伴って水晶体の弾力や毛様体筋の力が失われていき、ピントが合いづらくなった状態のことを指します。
前述の通り、誰しもが遅かれ早かれ自然に発症するもので、目のかすみや、近くのものにピントを合わせられないといった不調をもたらします。

老眼かどうかを判断するためのセルフチェック法

自身が老眼であるかどうかは、以下の方法でセルフチェックできます。
メガネやコンタクトレンズを常用している方は、着用したままこの方法を試してください。

老眼かどうかのセルフチェック法

  1. 人差し指の腹を目の前にかざす
  2. ゆっくりと遠ざけていき、指紋が鮮明に見えたところで止める<li>
  3. 指を止めた位置から目までの距離を測る

指を止めた位置が30cm以上離れている場合は、老眼である可能性が高く、なにかしらの対策が必要とされています。
メジャーや定規さえあれば、場所を選ばずに実施できるセルフチェック法なので、気になる方は試してみてはいかがでしょうか。

老眼を放置するリスク

老眼を放置しておくと、生活に支障をきたすおそれがあります。

症状の軽いうちに対策できればよいですが、老眼による眼精疲労が重なれば、めまいや吐き気などの不調を引き起こします。
慢性的にこのような症状が続けば、気づかないうちにストレスも溜まっていくものです。

転倒や、人・ものへの衝突といった危険もあるため、ただの疲れ目や視力の低下と決めつけず、早めにクリニックで検査を受けるようにしましょう。

老眼の治療・対策方法

老眼は、以下の方法で治療・対策できます。

【老眼の治療・対策方法】

  1. 手術
  2. 老眼鏡
  3. 遠近両用メガネ・コンタクトレンズ

一つずつ、詳しく解説していきます。

手術

老眼は、手術で治療することができます。

主な治療法は“IPCL(多焦点眼内レンズ)”とよばれる特殊なレンズを、虹彩と水晶体のあいだに移植する手術です。
この手術を受けたほとんどの方は、その後裸眼で生活できるほど視力が回復します。

また“手術”と聞くと身構えてしまうかもしれませんが、両目の施術でも所要時間は平均10分未満です。
入院も不要なため、患者様にとって負担の少ない治療法といえるでしょう。

老眼の手術を受けたい場合は、クリニックのホームページで費用や実績を確かめてから、申し込んでみてください。

老眼鏡

初期の老眼には、老眼鏡が有効といわれています。

老眼鏡とは、衰えたピントの調節力を補うメガネのことです。
一度クリニックで検査を受けて処方箋をもらい、そのあとにメガネ屋で作成してもらうのが一般的です。
手軽に老眼の対策ができる便利な道具で、ほかの治療と比べて、費用を抑えられます。

ただし、ある程度症状が進行した段階から使い始めるのには向いていません。
急に度数が強い老眼鏡をかけると、目に大きな負担がかかり、眼精疲労や身体の不調につながる可能性があります。
あくまで、“初期の老眼を改善する手段”という認識をもちましょう。

遠近両用メガネ・コンタクトレンズ

すでにメガネやコンタクトレンズを着用している方は、遠近両用のレンズに取り換えてみてはいかがでしょうか。

前項で紹介した老眼鏡は、ひと目でそれだとわかってしまうことがあります。
視力をサポートする道具としてはまったく問題ないのですが、若い世代を中心に「デザインの面で老眼鏡をかけるのに抵抗がある」と考える方が多いのも事実です。
対して遠近両用メガネ・コンタクトレンズであれば、どの距離にもピントが合い、今までと同じ感覚で老眼を対策できます。

老眼を予防するためのトレーニング

ここでは、老眼を予防するトレーニングを紹介します。
手順は、以下の通りです。

老眼を予防するためのトレーニング

  1. 手元にピントを合わせる
  2. 視線を手元から外し、ピントがギリギリ合う遠いところに合わせる
  3. 視線をもとに戻し、ピントを再度手元に合わせる
  4. 一連の動作を数回繰り返す

このトレーニングは、一日10回程度行うだけでも効果があります。
“睡眠を十分にとる”“長時間に渡って近くのものを見ない”など、老眼を予防する生活習慣とあわせて、無理のない範囲で実践してみましょう。

ものが二重に見えるなどの違和感があれば、クリニックに相談を

今回は、ものが二重に見える場合に考えられる原因と、その対策を解説しました。

目の違和感には、老眼をはじめとしたさまざまな原因が考えられます。
たとえ軽微な症状だとしても慢性的に症状が続けば、ストレスが溜まり、心身ともに悪影響を及ぼします。
また、なかには脳梗塞など、命にかかわる重大な疾患に起因するケースもあるため、少しでも心当たりがある方は、クリニックを受診するとよいでしょう。

先進会眼科は、20年以上に渡って眼科医療を提供しているクリニックです。
“当たり前にものが見える生活”を取り戻したい方は、お気軽にご相談ください。

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監修者
岡 義隆
執筆:岡 義隆

日本眼科学会認定眼科専門医
日本白内障屈折矯正手術学会 理事
先進会眼科 理事長

略歴

聖マリア病院 眼科 外来医長
福岡大学筑紫病院 眼科
村上華林堂病院 眼科
福岡大学病院 救急救命センター
福岡大学病院 眼科
愛知医科大学卒業
福岡県立嘉穂高校卒業

医師資格番号

医師免許番号 381664
保険医登録番号 福医29357

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