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円錐角膜とは?円錐角膜の初期症状と治療について解説します

円錐角膜は多くの場合、思春期に発症します。角膜が何らかの原因により薄くなり、眼球から盛り上がるように変形することによって視力障害をきたす、眼球の角膜におこる進行性の疾病です。近年、障害者総合支援法の対象疾患に入れられています。障害者支援法の取り扱いは各自治体に問い合わせてください。(*2021.5月現在)

視力低下を自覚して近医を受診したら「円錐角膜と診断された」「治療先を探している」とのお声をいただいております。そこで今回は円錐角膜についての基本的事項、初期症状、原因、診断、治療法などについて解説してまいります。 

円錐角膜とは何か?

左:正常な角膜のイメージ  右:円錐角膜のイメージ

角膜とは、いわゆる黒目の部分のことです。
角膜は5層(角膜上皮細胞・ボーマン膜・角膜実質・デスメ膜・角膜内皮細胞)で構成されています。
正常な場合は0.5ミリほどの厚みがありますが、この角膜が何らかの原因により薄くなり、薄くなった角膜部分が内からの眼圧に耐えられずに前に突出し、円錐形になる状態を円錐角膜と言います。 

多くは思春期10代~20代に発症し、30歳を過ぎても進行することもあります。40歳過ぎくらいで進行が停止することが多く、個人差もあります。 

軽度の場合は視力の低下や見え方にゆがみ(乱視)が生じる程度ですが、この円錐角膜による乱視はメガネでは補正することができません。中等度くらいまではハードコンタクトレンズでの治療が可能ですが、重度になるとハードコンタクトレンズを使っても治療が困難になり角膜移植が必要となります。 

円錐角膜の初期症状

・「最近太陽の光や照明の光がまぶしく感じる」
・「見え方がどんどん悪くなっている」 

一般的な視力低下の症状ですので、屈折異常(近視・乱視・遠視)との違いを自覚的に判別するのは難しいですが、円錐角膜の始まりの疑いがあります。 

円錐角膜の初期症状としては、光に敏感になりまぶしく感じる、物が二重に見えるなどの症状から進行します。 

進行するにつれて角膜の突出が強くなり、角膜の5層の中のデスメ膜が破裂すると、角膜内に水が溜まり、角膜が白く濁り視力低下やゆがみなどの症状が起こる”急性水腫”が発症することがあります。

円錐角膜の症状は両眼に均等に出るわけではなく、症状の出方には左右差が見られる場合があります。

円錐角膜の原因

円錐角膜の原因はまだはっきりと分かっていない部分が多く残っています。 

円錐角膜の発症と関連性が高いデータとして、アトピー性皮膚炎を持っている方が多いということが挙げられます。 

そして、目をよくこするなどの物理的な刺激も円錐角膜の原因となると考えられています。 また、いくつかの症例では円錐角膜の原因に遺伝による発症が見つかっていますが、必ずしも遺伝子異常が見つかるわけでもありません。 

角膜のコラーゲンを溶かすコラゲナーゼという酵素が眼の中にあり、何らかの原因により角膜の繊維(コラーゲン)を溶かしてしまい角膜が薄くなり、中からの圧力により角膜が突出します。 

円錐角膜は角膜の中央部分が薄くなっていきますが、これによって角膜拡張症(エクタジア)を併発することもあり、角膜の後面が前に突出して角膜が変形し乱視になります。その結果、視力が急激に低下します。

円錐角膜の診断と治療

円錐角膜の診断方法としては、視力検査・細隙灯顕微鏡検査・角膜形状解析検査などが中心です。 

細隙灯顕微鏡では、ある程度進行し突出が強くならなければ判断がつかないため、初期段階においては、角膜形状解析検査が重要です。

角膜形状解析検査は、いわゆる黒目の形を調べるもので、角膜のわずかな歪みもキャッチし診断します。この検査によって、角膜の中央から下方が突出し、角膜のカーブが急な場合円錐角膜と診断されます。

円錐角膜の治療方法

以前は眼鏡やコンタクトレンズによる見え方の矯正、または角膜移植が主な治療法でしたが、近年、角膜クロスリンキング、角膜内リング、有水晶体眼内レンズなども開発され、病状に合わせて治療法を選択できるようになってきています。

初期の円錐角膜の治療法としては、眼鏡やソフトコンタクトレンズを用いた視力矯正が行われます。

中等度までの円錐角膜の治療はハードコンタクトレンズでの視力矯正(治療ではありません)が可能ですが、円錐角膜に対しての治療ではなく、病状の改善はできません。

角膜クロスリンキング

クロスリンキング後には角膜強度が増しています。
角膜片が黄色いのはリボフラビンの浸透によるもの。
角膜内コラーゲン間に架橋が追加形成されます。

最近では、角膜クロスリンキングという治療も本邦で行われており、当院でも全てのクリニックで導入しております。
角膜にリボフラビンを点眼しながら、365㎚の紫外線を照射することによって、角膜を構成するコラーゲン線維の結びつきを強化し、角膜の形状を保持し、円錐角膜の進行を抑える治療法です。

手術は1時間程度です。

<手術の流れ>

①点眼麻酔をします
②角膜上皮細胞を掻爬(除去)します
③リボフラビンを10分~30分間点眼します
③エネルギーと照射範囲を適切に設定した紫外線を照射します
④保護用コンタクトレンズ装着し手術終了

角膜クロスリンキングが適応となる症状

・現在進行している円錐角膜
・角膜拡張症(エクタジア)と診断されていること
・角膜の厚さが一定以上ある事
・9歳以上(未成年者は保護者の同意が必要)

角膜クロスリンキングが適応とならない症状

・角膜が一定値以下の厚さ
・角膜に混濁がある
・現在円錐角膜の進行が止まっている
・再発性上皮障害の人
・ヘルペス性角膜炎の場合
・妊娠または授乳中

進行が速い10代や20代の時期に有効な進行抑制治療とされています。しかし、この治療法は、進行を抑えるためのもので、角膜形状や視力が改善するわけではありません。

角膜内リング
(ICRS:Intrastromal Corneal Ring Segments)

角膜の深い位置に弧状のリングを挿入します

角膜内に挿入することによって角膜の形を矯正するための骨組みとし、角膜の突出を軽減し、乱視や角膜の非対称性を改善させる効果があります。当院でも多くの症例を経験し国内外の学会で発表を行っております。

手術は1時間程度、クロスリンキングと同様、日帰り手術です。

<手術の流れ>

①点眼麻酔をします
②フェムトセカンドレーザーでリングを挿入するトンネルを作成します
③リングを挿入します
④保護用コンタクトレンズ装着し手術終了

角膜移植

ハードコンタクトレンズを使った視力矯正が困難な重度の円錐角膜の場合、先述した角膜内リング、角膜クロスリンキングなどの治療を検討しますが、角膜移植が必要となる場合があります。

角膜移植とは、混濁した角膜を円形に切除して、提供された透明な角膜を縫着する手術です。

移植される角膜は、献眼の意思のある方が亡くなられ、ご遺族の承諾を得てアイバンクに提供されたものが公平・公正に提供されます。しかし、日本国内では常にドナー登録数より手術待機者が多く、数年の待機が必要な場合があります。

円錐角膜の治療としては、これまで角膜を全て取り替える「全層角膜移植」が行われていました。しかし、提供者の角膜内皮細胞も移植されますので、術後の拒絶反応の危険や長期的角膜内皮の減少などの問題がありました。

そのため、円錐角膜に対する角膜移植の選択の一つとして、必要な部分のみを移植する「深層層状角膜移植」が選択される場合が増えてきています。

深層層状角膜移植は患者様の角膜内皮細胞を含むデスメ膜を温存する術式で、全層角膜移植に比べて内皮型拒絶反応が術式です。

円錐角膜でもレーシック手術は受けられる?

円錐角膜の患者さんは角膜が薄くなっており、角膜強度も脆弱なため、その角膜をさらに削るレーシックは行えません。レーシックをご希望される患者様について、当院では精密な角膜の厚みと角膜形状解析の検査、患者様の度数の計算を医師と視能訓練士が行っております。 

まとめ


円錐角膜は、中等度まではハードコンタクトレンズの使用で視力矯正が可能です。初期症状は屈折異常と同様でご本人自ら気付くことはあまりなく、「劇的に視力が低下してきた」「乱視がひどくコンタクトレンズでも矯正できない」などの自覚症状で来院され、検査と診察を経て判明することが多くあります。先述したように、角膜形状解析による早期発見が可能で、きちんと眼科専門医のもとで治療をすれば、多くの場合、矯正視力と裸眼視力の向上を見込め、Quality of Visionの向上を見込めます。
当院では多くの円錐角膜の治療を行っております。他の医療機関で円錐角膜と診断された、治療は角膜移植しかない、と言われたことがある患者様、もしかして円錐角膜かもしれない、と思われたら方、当院での眼科受診をおすすめします。先進会眼科東京先進会眼科大阪先進会眼科福岡で同レベルの最先端治療を導入しています。

参考・出典:
厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000499027.pdf
難病情報センター https://www.nanbyou.or.jp/entry/519
東京都福祉保健局の障害者総合支援法の対象疾病一覧https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/joho/soshiki/syougai/jiritsu/oshirase/361kakudai010701.files/010701shougou361.pdf

円錐角膜にについて

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執筆:菅沼 隆之

日本眼科学会認定眼科専門医 医学博士
先進会眼科 福岡 院長