白内障になっても運転できる?免許更新に必要な視力も紹介
白内障の自覚症状がある場合は、車の運転を控えてください。
一瞬の見間違いや視界の不鮮明さが、思わぬ事故のリスクを高めてしまいます。
【この記事でわかること】
- 白内障になっても運転してよいのか
- 運転免許の更新に必要な視力
- 白内障を患っていても運転免許の更新は可能?
- 白内障の手術後に運転してもよいのか
- 白内障を放置するリスク
近頃、視力の低下を感じており「白内障かもしれないけど、車を運転しても大丈夫なのかな……」と思われていませんか?
仕事や日々の生活において、車の運転がどうしても必要な場面も少なくありませんから、不安は解消しておきたいものです。
本記事では、白内障になっても運転してよいのかという疑問にお答えします。
健康な目で、安心して車を運転したい方はぜひ最後までご覧ください。
白内障になっても運転してよいのか
「以前よりも道路標識が見えにくくなった」「対向車のヘッドライトがまぶしい」といった視力の低下や光への過剰反応など、白内障の自覚症状がある場合は、運転を控えてください。
運転中の一瞬の見間違いが、取り返しのつかない大事故につながるおそれがあります。
安全に運転するためには、白内障の手術を受けて視力を回復させなければなりません。
とはいえ、「運転する必要はあるけど、手術が怖い……」と思われている方もいらっしゃるかもしれません。
日本眼科医会によると、白内障の手術は日本で年間160万件ほど実施されています。
医療機器が進歩したことで、より安全で負担が少なく、身近な手術であるといえます。
決して難しい手術ではありませんから、必要以上に怖がらずに適切なタイミングで白内障の手術を検討しましょう。
参照元:公益社団法人 日本眼科医会「白内障手術と眼内レンズ 眼内レンズを上手に選ぶために」
運転免許の更新に必要な視力
白内障の疑いがある場合、「運転免許を更新しないといけないけど、視力検査を通過できるのかな」と不安に思われているかもしれません。
運転免許を更新する際の視力検査においては、免許の種類によって必要な視力は異なります。
【運転免許の更新に必要な視力】
普通免許を更新する場合 | ・左右それぞれの視力が0.3以上で、両眼の視力が0.7以上あること |
大型(第一種)・中型・第二種免許を更新する場合 | ・左右それぞれの視力が0.5以上で、両眼の視力が0.8以上あること ・三桿法(さんかんほう)という奥行を知覚する検査に合格すること |
上記の視力は、メガネやコンタクトレンズなどの矯正視力でも可能です。
なお、普通免許の更新に際して、片方の視力が0.3に達しない場合は、他方の視力が0.7以上かつ目の視野が150°以上あれば、基準をクリアすることができます。
白内障を患っていても運転免許の更新は可能?
白内障が進行しており、運転免許を更新できなかったというケースは少なくありません。
このような場合、白内障の手術を受けて視力が回復すれば、基本的には免許を更新することができます。
白内障の手術が運転免許の更新期日に間に合わず、運転免許を失効してしまった場合でも、失効から6か月以内であれば、視力検査を受け直すことで再交付を受けられます。
ただし、希望のタイミングで白内障の手術を必ず受けられるとは限りません。
カウンセリングや術前検査、眼内レンズの選定などがあるほか、術後の視力の回復スピードには個人差があるからです。
「運転免許の更新の前に白内障の手術を受けようかな」とお考えなら、余裕をもったスケジュールで眼科を受診しましょう。
白内障の手術後に運転してもよいのか
白内障の手術直後の運転は、さまざまな危険が伴うので避けてください。
視力の回復スピードには個人差があるものの、見え方が安定するまで術後1週間程度は経過を観察する必要があるためです。
また、術後は術前と比べて見え方が変わるので、いきなり遠出するのではなく、近所の買い物などの近距離から少しずつ運転し始めるとよいでしょう。
白内障を放置するリスク
白内障を放置すると、視力の低下だけでなく、以下のリスクが生じる可能性もあります。
- 心身へのストレス
- 思わぬ事故
- 急性緑内障の誘発
ここからは、それぞれのリスクを解説していきますので、「手術になかなか踏み切れない」とお悩みの方は、参考になさってください。
心身へのストレス
白内障の症状によって生活に支障をきたす状態が続けば、心身に悪影響を及ぼしてしまいます。
視力が低下すると、運動やテレビ鑑賞、スマートフォンの操作、読書などの日常生活におけるさまざまな活動に影響が出ます。
「見えにくい」という状態は、想像以上に心身にストレスが蓄積して、健康寿命を縮めてしまうかもしれません。
また、視力の低下によって誤って転倒するなど、身の安全にも関わるおそれがあります。
思わぬ事故
思わぬ事故も、白内障を放置するリスクとして挙げられます。
白内障の初期症状は自覚症状がない場合が多く、気がつかないまま進行してしまうことが少なくありません。
そのため、運転免許の更新の際に視力検査を通過できずに、初めて白内障が発覚するケースもあります。
特に運転においては、視界の不鮮明さが事故の可能性を高めてしまうため、白内障の早期発見と適切な治療が欠かせません。
急性緑内障の誘発
白内障を放置すると、急性緑内障を誘発しかねません。
急性緑内障は、白内障の症状の進行とともに水晶体が膨らみ、房水の排出が阻害されることにより眼球内の圧力が急激に上昇することで引き起こされる病気です。
急性緑内障を発症すると、頭痛や目の痛み、吐き気などの症状が生じ、視野の一部が欠ける“視野欠損”や、最悪の場合は失明に至るリスクがあります。
急性緑内障が引き起こされた場合、欠けてしまった視野が元に戻ることはありません。
また、発症後は生涯にわたって治療や検査を受けなければならない場合もあり、早期発見するためにも、目の定期検診を受けることが大切です。
【関連項目】
白内障で失明するか│放置のリスクと失明率
緑内障とは|症状や原因、治療方法について解説
まとめ
本記事では、白内障になっても運転してよいのかという疑問にお答えしました。
思わぬ事故を防ぐためにも、視力の低下や光への過剰反応といった白内障の自覚症状があるなら、車の運転は控えることが望ましいです。
白内障の手術を受けて視力が回復すれば、車を運転したり、運転免許を更新したりすることができますから、適切なタイミングで手術を受けましょう。
先進会眼科では、さまざまな眼疾患に精通し、経験豊富な医師が手術を担当します。
白内障の治療においては、最先端のレーザー機器を使用し、目の負担が少ない手術も可能です。
白内障の症状が気になり、手術を検討されている方はぜひご来院ください。
日本眼科学会認定眼科専門医
日本白内障屈折矯正手術学会 理事
先進会眼科 理事長
略歴
聖マリア病院 眼科 外来医長
福岡大学筑紫病院 眼科
村上華林堂病院 眼科
福岡大学病院 救急救命センター
福岡大学病院 眼科
愛知医科大学卒業
福岡県立嘉穂高校卒業
医師資格番号
医師免許番号 381664
保険医登録番号 福医29357