加齢や生活習慣、光障害によって黄斑がダメージを受け発症する病気、加齢黄斑変性。
初期段階では黄斑がダメージを受けた部分がゆがんで見える症状が出ますが、進行が進むにつれ視野の中心が暗くなったり欠けたりする範囲が広くなります。
加齢黄斑変性はそのまま放置しておくと失明にも繋がる病気ですが、加齢黄斑変性と診断されてから失明の期間はどれくらいなのかを解説いたします。
日本眼科学会のデータによると、加齢黄斑変性症は日本人の中途失明の原因の失明する原因の4位だと言われています。1位の緑内障と比較しても、この数字だけ聞くと「案外大丈夫なのでは」と思うかもしれませんが、放置しておくと症状が進行して視力の回復が難しくなります。
黄斑は、ものを見る力をつかさどる重要な細胞が集中しています。この網膜の直下に新生血管が発生し、黄斑にダメージを与えていきます。ですので、新生血管によって黄斑の組織にダメージを受け細胞が破壊されていくのです。
一度細胞が破壊されると再生することはできません。
そのままものを見るのに必要な細胞が破壊され続けると視力が低下し、徐々に正常な見え方ができなくなってしまうというとなんとなく深刻さがイメージできるのではないでしょうか。
「加齢黄斑変性症と診断されたら、失明を覚悟しなければいけないのか」と言われると、そうではありません。
加齢黄斑変性は「萎縮型」と「滲出型」の2つの種類があります。
黄斑部が加齢に伴い委縮していく「萎縮型」と診断された場合は症状の進行は遅く、治療ではなく定期検査で経過観察を行なっていきます。
前述で解説した失明のリスクに該当するのは「滲出型」の場合です。「滲出型」は新生血管と言われる異常な血管が発生し黄斑部の組織にダメージを与えていきます。萎縮型と異なり急激に視力が低下していきます。
また、加齢黄斑変性症の恐ろしさは萎縮型と診断されて安心していたら、滲出型に変化するケースもあることです。ですので、定期検査が必要になっていくのです。
一度傷ついた細胞は治らない上に、人によって進行速度が違うので早めの検査と治療が大切です。
加齢性黄斑変性症の見え方についてはこちらの記事で解説しています。もし、見え方をチェックして気になることがあればお気軽にご相談ください。
萎縮型の場合は特に治療する必要はありません。しかし、もし滲出型に移行した場合にすぐに対応できるように経過観察として定期的な検査は必要です。
滲出型の場合は抗VEGF療法を行なっていきます。抗VEGF剤硝子体注射という注射を打って、むくみや炎症、出血など悪い変化を起こす新生血管を生成するたんぱく質(血管内皮細胞増殖因子)を抑制し、新生血管を弱らせ進行を防ぎます。
抗VEGF療法では、加齢黄斑変性症によって低下した視力が改善したり、悪化する前に治療することが可能になりました。ですので、今現在の最も効果的な治療法だと言われています。
そのほかにも、レーザー治療の選択肢もあります。状態によっては「PDT(光線力学療法)」やレーザーによる「光凝固法」などの外科的治療を併用することで、症状をできる限り抑えていきます。
加齢黄斑変性症は様々な原因があり、これといった予防法はありません。敢えて言うのであれば、目を適度に休ませたり、紫外線予防や禁煙を心がけるなど生活習慣を見直すしかありません。
一度ダメージを受けた網膜は修復できないため、失明を防ぐには何よりも早期発見・早期治療が大切です。
加齢黄斑変性症に限らず、目の病気は初期の段階で治療すれば失明を防ぐことはできます。加齢によって罹る症状は他にも白内障や緑内障もあります。
自覚症状がなくても、何らかの病気になっていたということも考えられますので、ぜひ定期的に検診を受けることをおすすめします。
先進会眼科では、最新鋭機「ハイデルベルグスペクトラリスHRA+OCT」を導入しております。蛍光眼底造影と組み合わせることで早期発見がしやすくなっています。
ぜひ、今見えている視界を大切にするためにもご相談ください。
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日本眼科学会認定眼科専門医
日本白内障屈折矯正手術学会 理事
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