視力回復が期待できる目薬5つ|注意点や目薬以外でおすすめの方法も紹介
疲れ目やかすみ目を感じた時に目薬を指すと、視界がスッと開けたという経験はないでしょうか?
実は、目薬の効果には侮れないものがあり、きちんと使えば近視の進行を止めるとまではできないものの、一時的に視力を回復してくれるものも出てきました。
今回は視力の低下を感じており、矯正せずに視力をケアしたいという方に向けの目薬をご紹介します。
また、目薬を使う際の注意点についても併せて解説しました。
近視による視力低下を回復できる目薬3つ
現在、近視による視力低下の回復が期待できる目薬は3つあります。それぞれの特徴について簡単に解説いたします。
ミドリンM点眼液
ミドリンM点眼液(一般名トロピカミド)は、眼球内のレンズを調節する毛様体筋が必要以上に収縮することで一時的に近視の状態となる「仮性近視」に効果があるとされています。
ミドリンMを点眼すると、調節麻痺作用により毛様体の過度な緊張が和らぎ、近視が改善するのです。あくまでも調節力を回復させる目的で使用する目薬であり、眼軸が伸びる軸性近視の進行を抑える働きはありません。
少ししみる目薬のため、一般的には点眼は寝る前とし、目薬をさした後は眼を使う作業はしないよう気をつけましょう。また、点眼後には瞬きをしない、眼を閉じて目頭を1〜5分くらい抑えておく必要があります。
点眼しても視力が回復しない場合は、早めに眼鏡などでの矯正を検討しましょう。
サンドールMY点眼液
サンドールMY点眼液も、上でご紹介したミドリンMと同じ成分(一般名トロピカミド)の目薬です。ミドリンMと同様に、副交感神経を抑えることで毛様体筋の緊張をとり、ピント合わせの力を回復させることで視力を本来の状態に戻す効果が期待できます。
低濃度アトロピン点眼液
低濃度アトロピン点眼液は、アトロピンという目薬を約100倍に薄めてさすという方法です。アトロピンの点眼によって、水晶体の厚みを調節する毛様体筋の緊張を取ることができます。薬が効いている間は瞳孔が開いて近くが見えにくくなるため、夜寝る前に用います。日本で認められている濃度のアトロピン点眼薬は、まぶしさ、眼の痛み、近くが見えづらい、アレルギー性結膜炎、皮膚炎などの副作用もあるため、長期使用が困難でした。
しかし、濃度を薄くし副作用を少なくした低濃度アトロピン点眼によって、成長期の眼軸長の伸びを抑えることで近視の進行が抑制され、さらにその効果が点眼中止後も効果が持続することがわかってきています(Ophthalmology. 2016 Feb;123(2):391-9)。2021年5月現在、日本で承認を受けている低濃度アトロピン薬剤はなく、健康保険の適用外の治療となりますが、日本でも導入する施設が増えてきています。
注意点としては、近視の進行を止めるものではなく、あくまで進行抑制が期待されること、また、近視矯正効果はないことです。大きな副作用は報告されていませんが、今後明らかになる可能性もあります。
ドライアイによる視力低下を回復できる目薬2つ
ドライアイによる視力低下にお悩みの方におすすめの目薬を2つご紹介します。それぞれの使用法の注意点なども簡単に解説いたしました。
そもそもドライアイとは、涙が少ないだけではなく、眼の表面と水の層にあるムチンや眼の一番表面にある油の層がうまく働いていないために起こる眼の病気です。
今回ご紹介するジクアス点眼液とムコスタ点眼液は、これらのバランスに配慮した治療を行うための目薬となります。
ジクアス点眼液
ジクアス点眼薬(一般名ジクアホソルナトリウム)は、ムチンとともに水分を増やす働きがあります。涙が少ないタイプのドライアイによく効くとされています。
すごく効く人と全く効かない人が分かれる点眼液とされており、効果がない場合はムコスタ点眼液に切り替えることもあります。
副作用として、目脂が出ることがあります。
ムコスタ点眼液
ムコスタ点眼液(一般名レバミピド)は、ムチンを増やす効果に加えて、炎症を抑える働きがあります。
臨床試験では、自覚症状の改善効果が示されたことでも話題の点眼液です。
副作用として、点眼後に苦味を感じたり、眼の周りに白濁がついたりすることがあります。
視力回復が期待できる目薬に関する注意点
目薬で視力が回復できるというのは近視の方に朗報となりますが、良いことばかりではありません。目薬での治療を検討する前に、いくつか知っておいていただきたいことがあります。
低濃度アトロピン点眼は自費診療である
上でも説明した通り、2021年11月時点で、日本で承認を受けている低濃度アトロピン薬剤はありません。健康保険の適用外の治療であるため全額自費診療となります。それでも海外の大規模調査などから確実な効果が期待できるため、日本でも導入する施設が増えてきています。
具体的な金額は施設によって異なりますが、海外メーカーの製品を輸入して使用する場合で毎月3〜4000円程度かかります。このほかに、診察・検査費用が別途かかります。
軸性近視による視力低下は回復できない
残念ですが、目薬は軸性近視による視力低下を回復することはできません。
屈折性近視とは、ピント調節を行う水晶体がふくらんだままの状態になり、遠くが見えにくくなるものです。近視のなかでも比較的軽いといわれており、18歳以上になってから近視になった場合は屈折性乱視である可能性があります。屈折性近視は一時的なもののため、トレーニングを行えば視力が回復する可能性があります。
軸性近視は、目の軸が長く伸びてしまいピントが合う位置が後ろにずれることで、遠くが見えにくくなるものです。18歳未満で近視になった場合、軸性近視である可能性が高いとされています。軸性乱視の場合は眼球の形が変わってしまっているため、眼のトレーニングを行っても視力が回復する可能性は低いといわれています。
目薬以外で視力回復におすすめの方法2つ
目薬以外にも、視力を回復する方法がいろいろあります。ここでは眼鏡やコンタクトレンズなどといった矯正や、レーシック・ICLといった手術以外の方法でおすすめできる方法のうち2つ、「眼のトレーニング」と「オルソケラトロジー」について簡単に説明します。
眼のトレーニング
眼のトレーニングとは、眼の筋肉を鍛えることで視力の回復を図るというものです。ものを見るには毛様体筋と外眼筋という眼にある二つの筋肉の働きが重要です。
毛様体筋は、水晶体を調節してピントを合わせる筋肉です。外眼筋は、眼球を支えるとともに、眼を動かすときに使う筋肉です。
これらの筋肉を意図的に動かすことにより緊張をほぐし、ピントがうまく合うようにするのが眼のトレーニングの目的となります。
オルソケラトロジー
「オルソケラトロジー」とは使用を中止すると視力は元の状態に戻りますが、近視・乱視に対する視力回復治療の一つで、睡眠中に特殊形状のコンタクトレンズを挿入することで角膜の形状を矯正させます。手術を受けることなく日中の視力回復が期待できる治療です。使用を中止すると視力は元の状態に戻りますが、眼球が成長している小学生などでは視力の改善が期待できることもあります。
主な副作用や注意点としては一般的なコンタクトレンズと同様です。
不衛生に扱うと角膜炎・角膜上皮障害・角膜感染症・角膜内皮障害・巨大乳頭結膜炎といった合併症が起こるため、正しくレンズケアをすることが大切です。
他には、定期検診が必要なことや、継続しないと視力が戻ること、夜間に光がにじんでみえるハロー・グレア現象の可能性もあります。
当院では検査費用は保険適応、以降は自由診療となります。トライアル費として両眼9,800円、初期費用3ヶ月分が両眼42,000円(4ヶ月以降は6,800円/月)、別途ケア代が必要となります。
まとめ
以上、視力回復に役立つ目薬を5つ(近視回復3つ、ドライアイ2つ)ご紹介しました。
いずれの目薬も正しく使えば効果が期待できるものですが、漫然と使い続けるというのはよくありません。
そもそも現在の自分の眼の状態はどうなのか、具体的にいうと目薬を使うことで視力回復が期待できるものかどうか、また視力が落ちるような別の眼の病気がないかなどを細かく評価してから目薬を使い始めることをおすすめします。
先進会眼科では、新しい検査機器によって現在の眼の状態を詳細に調べ、経験と実績のある医師が適切な視力回復方法をご提案いたします。視力低下にお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
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日本眼科学会認定眼科専門医
日本白内障屈折矯正手術学会 理事
先進会眼科 理事長
略歴
聖マリア病院 眼科 外来医長
福岡大学筑紫病院 眼科
村上華林堂病院 眼科
福岡大学病院 救急救命センター
福岡大学病院 眼科
愛知医科大学卒業
福岡県立嘉穂高校卒業
医師資格番号
医師免許番号 381664
保険医登録番号 福医29357