視力検査とは?一般的なやり方や受ける頻度・よくある質問を紹介
コンタクトレンズや眼鏡を購入するときや健康診断のときなどに行われる視力検査。
輪の穴が空いている方を指さす検査として知られていますが、視力検査ではどのようなことがわかるのでしょうか?
この記事では、視力検査とはどのような検査なのか、詳しく解説します。
また併せて、一般的なやり方や受ける頻度の解説のほかに、皆さんが疑問を持ちやすいよくある質問にも回答していきます。
視力検査とは
視力検査は、眼鏡やコンタクトレンズの購入時や健康診断のときなどに行われる検査です。ものが見えにくい、二重に見える、左右で見え方が違うなどの症状があるときにも視力検査が行われています。
通常、目に入ってきた光は、角膜を通してレンズの役割を果たす水晶体で屈折。さらに硝子体を通過して網膜に像を結び、その情報が正確に脳に伝えられています。もし、どこかに異常があれば追加の検査を行うこともあるでしょう。
視力検査では複数の機器を使用し、遠視・近視・乱視などの屈折異常を検出したり、その状態でレンズを使って矯正したりします。眼鏡やコンタクトレンズを使用せずに測ったときの視力を「裸眼視力」、レンズを使って矯正した視力を「矯正視力」といい、眼科の視力検査では、レンズを使い矯正視力が1.0以上出るかを見ています。
一般的な視力検査のやり方
視力検査といえば、片目を隠して輪っかの開いている方向を指さす検査を想像する人が多いのではないでしょうか?
視力検査では、そのほかにも複数の検査を行っています。それぞれの検査を解説します。
ランドルト環を使用する
視力検査でよく知られているのが、この「ランドルト環」を使った検査です。アルファベットの「C」のようなマークを用いた視力表です。上下左右に切れ目が開いたマークは、下へ向かってサイズが小さくなっており、視力表から5メートル間隔を取った場所から、指示されたマークの切れ目を指せるか否かで視力を判定します。
検査では、片目ずつ検査をするため、レンズを着脱できる眼鏡型のフレームをかけ、片目を遮蔽板で覆って検査するのが一般的です。
オートレフラクトメーターを使用する
オートレフラクトメーターは、球面度数(目のカーブ)や乱視度数、軸度から近視・遠視・乱視の有無や程度を測定する検査です。屈折検査は視力測定の目安としたり、眼鏡やコンタクトレンズを作ったりするときの目安になります。
視力検査のときに、医療機器を覗きこんで空と赤い気球の画像を見る検査がオートレフラクトメーターを使った検査です。数十秒のぞくだけの簡単な検査で、自動で必要な数値を計測できます。
赤色と緑色の画面を見る
視力検査の最後に「赤色と緑色のどちらがよく見えるか?」と2色の色を用いて行う検査があります。これは、「レッドグリーンテスト」「赤緑テスト」「二色テスト」などと呼ばれており、コンタクトレンズや眼鏡の度数が適正かどうかを確認しているのです。
光は、眼鏡やコンタクトレンズなどのレンズを通ると、光の波長によって屈折の角度が異なる性質を持ちます。レッドグリーンテストはこの特性を利用しており、赤色と緑色が同じようにハッキリ見える場合や赤色の方がハッキリ見える場合には、対象物を見るのに目が疲れにくい状態です。この場合、適正に視力が矯正されていますが、もし緑色の方がハッキリと見える場合には、目が疲れやすい状態にあるため、度数を再調整します。
その他の視力検査
視力検査は上記の方法だけではありません。
ランドルト環に似た検査に「Eチャート」「スネレン視標」があります。それぞれを解説します。
Eチャートを使用する
Eチャートは、日本では使用されておらず、アメリカや中国で主に用いられている視力検査方法。ランドルト環の代わりに、アルファベットの「E」を用いて視力を測ります。
検査方法は、検査表から6メートルほど距離を取り、多方向を向いた「E」の文字の開いている方向を答えます。基本的な検査方法はランドルト環を用いた検査と変わりません。
スネレン視標を使用する
スネレン視標は、検査表にランダム性のあるアルファベットが羅列されており、大きな文字から小さな文字を順に読むことで視力を測定する検査です。文字は11行並んでおり、下に行くほどサイズは小さくなり、Eチャートと同様6メートルほど距離を取った場所から検査します。
視力検査を受ける頻度
視力検査を受ける頻度は、通常3か月に1回が目安。定期健診では視力検査のほかにも、目に傷はないか、見え方に変化はないかなどを確認します。自分では目の調子がよいと思っていても、視力が変わっていたり、コンタクトレンズの着用による炎症があったり、目の病気などが見つかることがあるかもしれません。
3か月に1回を目安に受診しながら気になることはその都度メモしておくと、よりスムーズに診察できます。ただし、目に違和感があるときは定期検査の時期を待たずに受診を。また、かかりつけ医の指示があれば、3か月を待たずに受診しましょう。
視力検査に関するよくある質問
視力検査を受ける上で、矯正が必要になる視力はどの程度か、視力検査で見つけることができる病気など気になるのではないでしょうか。ここでは、視力検査に関するよくある質問とその回答をご紹介します。
矯正が必要な視力はどこから?
ランドルト環やEチャート、スネレンなどの視力表は1.0を基準にしており、基本的には1.0以上の視力があれば、遠方を十分に見渡すことができるため眼鏡やコンタクトレンズの装用は必要ありません。
0.7~0.9程度の場合は、日常生活を送る上でさほど支障はありませんが、遠くのものが見えにくいと感じる状況や仕事の都合などがあれば、そのときのみ眼鏡やコンタクトレンズを使用することも可能です。
0.3~0.6の場合は、少し離れた対象物が見えにくくなっているため、眼鏡やコンタクトレンズを使用が好ましいでしょう。0.2以下の場合は、眼鏡やコンタクトレンズの使用が必須です。
しかし実際にはこの限りではなく、生活環境や視力矯正の必要度や、目の疲れ具合などを総合的に判断することになります。近視や遠視、乱視によっても選択肢は異なるため、そのためにも定期的な視力検査が必要です。
自宅で視力検査はできる?
自宅でもランドルト環を使用することで簡易的な視力検査を行うことは可能です。自宅で視力検査を行うときは、決められた様式のランドルト環をA4用紙にプリントアウトして、3メートル距離を取ったところから測定します。検査の際は、実際の視力検査と同じように片目を隠して左右測定します。
ただし、簡易的な検査であるため正しい数値ではありません。眼鏡やコンタクトレンズを作る場合や、目に違和感があるときなどは眼科できちんと検査を受ける必要があります。
視力検査でわかる病気とは?
視力検査で裸眼の視力が悪くても、矯正視力が問題なければ近視や老眼などと診断されます。しかし、矯正視力でも十分な数値が出なければ、病気の可能性があります。考えられる視力の異常は以下です。
・屈折調節の異常:近視、老視、乱視
・角膜の変化:ヘルペスや角膜炎
・水晶体の異常:混濁による白内障
・眼圧上昇:緑内障
・網膜の異常:眼底出血、網膜剥離
・視神経異常:神経炎、脳腫瘍
目の病気は視力検査だけで判断することはなく、眼底検査や眼圧検査、視野検査などを行い、総合的な結果から診断されます。先進会眼科では、一般保険診療も対応しています。こちらのページを参考にお気軽にお問い合わせください。
ハッキリと見えないときはなんて答えるべき?
視力検査をする際に、指標がハッキリと見えないときは見えたままの直感で答えて構いません。ランドルト環を使って検査を行うときは、ハッキリでもぼんやりとでも切れ目がわかるかどうかが大切なポイントです。
目を細めると「ピンホール現象」により、対象物が見えやすくなる場合があり、正確な視力測定ができないので注意しましょう。1度の回答だけで視力を決めるわけではないため、目を細めて回答しないことを心がけましょう。
まとめ
コンタクトレンズや眼鏡を購入するときや健康診断のときなどに行われる視力検査は日本では「ランドルト環」を使って行うのが一般的です。海外ではEチャートやスネレンを使うこともあります。
視力検査は3か月に1回行うのが目安です。自宅でも簡易的な検査はできますが、視力や目に違和感があれば、目の病気を確認するためにも眼科を受診し医師に相談することが大切です。
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日本眼科学会認定眼科専門医
日本白内障屈折矯正手術学会 理事
先進会眼科 理事長
略歴
聖マリア病院 眼科 外来医長
福岡大学筑紫病院 眼科
村上華林堂病院 眼科
福岡大学病院 救急救命センター
福岡大学病院 眼科
愛知医科大学卒業
福岡県立嘉穂高校卒業
医師資格番号
医師免許番号 381664
保険医登録番号 福医29357