視力0.1の見え方とは?0.1以下の人の割合や主な矯正方法なども紹介
視力検査で0.1と告げられると、とても悪いような感じがして不安に思うかもしれません。遠視、近視、乱視などの屈折異常や目の病気によって視力が0.1になることがあります。
しかし、視力が0.1だからといって過度に不安に感じる必要はありません。視力0.1とは、視力検査の結果の値のことで、視力の程度を数値化して表しています。この記事では視力0.1について、その割合や矯正方法を詳しく解説します。
視力0.1とは
視力0.1とは、受診者が視力検査で正答できた指標のうちの一番小さい指標の数値のことです。視力検査では大きな指標から順番に、受診者がどこまで小さな指標の切れ目を判別できるのかを測定します。
視力検査の結果の数値は、0.01から1.5もしくは2.0まで測定することが可能で、数字が大きくなればなるほど指標は小さくなり、遠くの物がよく見えるということです。
視力には裸眼視力と矯正視力があります。
- 裸眼視力:眼鏡やコンタクトレンズを使用せずに測定して見えた一番小さな指標の値
- 矯正視力:眼鏡やコンタクトレンズを用いて見ることが可能になった一番小さな指標の値
眼科では一般的に裸眼視力の程度は参考程度に測定し、矯正視力が1.0以上ある場合を正常な視力とすることが多いです。
視力0.1の見え方
視力0.1の見え方は、よくある視力検査表の一番上の大きな指標がかろうじて見える程度の見え方です。視力検査は眼科によって多少の違いがありますが、一般的には5m離れた所に検査表を提示し、測定します。
視力0.1の場合は、以下のように遠くの人や物がぼやけて見えます。
- 遠くにいる人が知り合いでも誰か分からない。
- 車や自転車の運転は非常に危険。
- 時計の数字が読めない。
- 黒板、白板の文字が読めない。
このように視力0.1は、日常生活において支障が出る数値であるといえます。
視力0.1と1.0の違い
視力0.1と1.0とでは、大きな違いがあります。
0.1は遠くの人や物がぼやけてピントが合わない状態ですが、視力1.0はよくある視力検査表の下から2~3番目に小さい指標を判別でき、遠くがよくクリアにピントが合って見える状態であるといえます。
運転免許は両眼の矯正視力が0.7以上ないと交付されません。また、眼科では1.0を目安として健康な視力が得られているかどうかを判断したりします。さらに白内障の手術の適用は人によって変わりますが、だいだい0.8から0.6ぐらいの時に不便を感じて、手術を希望される方がおられます。
視力0.1と0.01の違い
視力0.01は0.1よりさらに視力が悪い状態で、50cmの距離の指標の判別がかろうじて可能な状態です。0.01以下の視力の測定の方法は、目の前に出した指の数や手の動きの方向というように、検査の方法が変わります。
0.01は視力検査の結果の値の中で、数字で表される最小の値です。近視や遠視などの屈折異常のみが原因で、裸眼視力が0.01になることは少ないことから、なんらかの眼疾患が影響している可能性があります。
視力が突然悪くなって0.01になってしまった場合は、なんらかの治療や医師による経過観察が必要です。
視力が0.1以下の人の割合
とあるアンケート調査の結果※では裸眼の視力が0.1以下の人の割合は、約3割以上の人がそうである可能性があります。つまり、視力が0.1以下であることは珍しいことではないと考えてもよいでしょう。
※参考:
大人の視力、平均値は「0.5」 「メガネ男子・女子」好きは3割超
日常的に眼科で検査や診察を行っていると分かることですが、全くの正視(眼鏡やコンタクトレンズを使用しなくても遠くにピントが合う人のこと)の人の方が珍しく、ほとんどの人が軽度や中等度の近視や遠視、乱視があって通常のことです。
視力が0.1以下の場合、中等度から高度の近視や遠視の可能性があります。しかし、眼鏡やコンタクトレンズを使用して適切な度数で矯正を行ったのち1.0以上の視力が得られる場合は、過度に心配する必要はないでしょう。
視力0.1以下の測定方法
視力0.1以下の次に悪い数値は0.09や0.08です。検査結果の数字はさらに小さくなりますが、受診者が見ることができる指標は徐々に大きくなります。
よくある一般的な視力検査表の一番上が0.1の指標であり、それ以下の場合の測定方法は眼科によって多少の違いがありますが、以下の手順の場合があります。
- 検査者が指標の書かれたカードを持って受診者の前に立ち、段階的に離れていく。
- 0.1以下の指標を表示できる視力検査の機械の場合は、さらに大きな表示を提示する。
視力検査では、基本的にその受診者が確実に見える大きさの指標から、段階的に小さな指標を提示してどこまで小さい指標を正答できるか検査していきます。
視力0.1以下の主な矯正方法
視力が0.1以下であっても、眼疾患が原因でない場合は、矯正によって正常な視力を得られます。矯正の方法も0.1以下だからといって特別なことはなく、屈折異常の程度に合わせた適切なレンズを選びます。裸眼の視力が0.1以下の場合の矯正方法です。
- 眼鏡
- コンタクトレンズ(ハード、ソフト)
- ICL
それぞれについて解説します。
眼鏡
眼鏡を用いて視力の矯正を行うことは、一般的な矯正方法です。眼鏡を用いて矯正をすることのメリットは以下になります。
- 目の手術を行ったりせずに、よく見えるようになる
- 度数が変化してもレンズの変更で対応可能
- 遠近両用、中近両用、近用、偏光眼鏡など使用目的によって眼鏡をかけ変えることができる
- どこの眼科でも処方を行っている
眼鏡を使用することに苦痛を感じず、快適に過ごしている方も多いでしょう。
コンタクトレンズ
ハードコンタクトレンズ、ソフトコンタクトレンズを使用して視力を矯正して生活することも可能です。コンタクトレンズを用いて矯正をすることのメリットは以下になります。
- 顔の印象を変えずに矯正することができる
- スポーツをする際に眼鏡より安全
- ハードコンタクトレンズで乱視の矯正効果が高く得られる
- 眼鏡フレームの影響がない
- カラーコンタクトレンズなどで顔の印象を変化させることができる
最近ではコンタクトレンズを使用して視力矯正を行う人が多くなっています。
ICL
ICLは、屈折異常に対する目の手術の方法のことをいいます。その方法は、目の中に人工のレンズを挿入する方法です。ICLを行って矯正をすることのメリットは以下になります。
- 眼鏡やコンタクトレンズのようにメンテナンスやランニングコストがかからない
- レンズを取り出すことで元の目に戻ることが可能
- 近視や遠視の度数が大きくても手術を受けられる
ICLは一般の方にあまり知られていないかもしれませんが、眼科ではよく耳にする視力回復手術です。白内障の手術方法とよく似た方法で手術が行われます。
眼鏡やコンタクトレンズを使用しないと遠くがよく見えないことが当たり前の人にとって、生活の質が劇的に向上する可能性のある矯正方法であるといえます。
確率は高くないものの、手術に一般的にみられる合併症や副作用として、ICL手術にも下記を伴う可能性があります。
結膜炎、急性角膜浮腫、持続性角膜浮腫、眼内炎、ハロー・グレア現象、前房出血、前房蓄膿、眼感染症、レンズ偏位、黄斑浮腫、瞳孔異常、瞳孔ブロック緑内障、重篤な眼炎症、虹彩炎、硝子体脱出、角膜移植。
稀ですが、炎症や角膜内皮減少、高眼圧、白内障などの合併症が起こった場合は追加の手術処置が必要になることがあります。手術である以上、リスクはゼロではなく、挿入したレンズが合わない可能性も理解しておきましょう。
ICLは自由診療となり、先進会眼科では45.1~52.8万円で行っております。
アフターケアなども料金に含んでおりますので、ICLについてさらに詳しく知りたい方はこのページをご覧ください。
ICL(眼内コンタクトレンズ)とは
視力0.1以下の矯正に関する注意点
視力が0.1以下の場合でも眼疾患がなく、矯正して健康な視力を得られる場合は特に問題がないケースが多いです。しかし、矯正の方法について、以下の点に注意が必要です。
- オルソケラトロジーを受けられない場合がある
- レーシックを受けられない場合がある
それぞれについて解説します。
オルソケラトロジーを受けられない場合がある
オルソケラトロジーとは就寝中に特別なコンタクトレンズを装用することで近視を一時的に治したり、進行を抑えたりする方法のことです。
中等度までの近視の方に効果があり、-1.0Dから-4.0D程度の近視に適用されます。そのため、裸眼視力が0.1以下の高度の近視や遠視の方には適用されません。ただし、裸眼視力が0.1以下であっても-4.0Dまでの近視の場合は、オルソケラトロジーを受けることが可能です。
ちなみにですが、オルソケラトロジーの主な副作用や注意点としては一般的なコンタクトレンズと同様です。
不衛生に扱うと角膜炎・角膜上皮障害・角膜感染症・角膜内皮障害・巨大乳頭結膜炎といった合併症が起こるため、正しくレンズケアをすることが大切です。
他には、定期検診が必要なことや、継続しないと視力が戻ること、夜間に光がにじんでみえるハロー・グレア現象の可能性もあります。
当院では検査費用は保険適応、以降は自由診療となります。トライアル費として両眼9,800円、初期費用3ヶ月分が両眼42,000円(4ヶ月以降は6,800円/月)、別途ケア代が必要となります。
オルソケラトロジーについてさらに詳しく知りたい方はこちらのページをご覧ください。
オルソケラトロジーとは?メリットやデメリット・費用相場を紹介
レーシックを受けられない場合がある
レーシックとは、主に近視に対する屈折矯正のための手術方法です。角膜にレーザーをあてて厚みを調整することで、近視の治療をします。
手術の時間は、両眼で約20分ほど、翌日の検査が必要ではありますが日帰りで施術が可能なので、患者さまの時間的な負担にも配慮した手術であるといえます。また、翌日からクリアに見えるケースが多いです。
しかし、レーシックは患者さまの近視の程度に合わせて角膜を変化させる量を調整しており、近視の程度が大きい場合は切除する量も大きくする必要があります。
患者さまによって角膜の厚みには違いがあるため、一概に高度の近視の場合はレーシックが受けられないということではありませんが、角膜の厚みが足りなくなることが予想される場合はレーシックの手術を受けることができません。
裸眼の視力が0.1以下だからといって高度の近視とは限りませんので、低いからと鵜吞みにする前に眼科で近視の程度を検査してみてください。
合併症や副作用の観点では、角膜を調整するため手術前の状態には戻せないこと、手術である以上失明のリスクがゼロと言い切れないこと、近視が戻る・ケラトエクタジア(医原性の不正乱視)・感染症・一時的なドライアイ・一時的なハローグレア(光のぎらつき)・角膜混濁の可能性があること、術後数週間は目元のメイクや激しい運動など制限されるものがあること、が挙げられます。
他にも、白内障治療や眼圧測定・緑内障検査では、角膜の形状を考慮し、レーシックを受けていない人とは違った方法を用いる必要があるため、必ずレーシックの経験があることをその医療機関や医師に伝える必要があります。
レーシックは自由診療になりますので、費用にも注意が必要です。
先進会眼科では両眼19.8万円~38.5万円(税込み)で行なっており、アフターケアと術後3ヶ月間の検診の費用も含まれます。先進会眼科でのレーシックについてさらに詳しく知りたい方はこちらのページをご覧ください。
レーシックとは 仕組みと費用について
まとめ
視力が0.1以下でも眼疾患がなく、矯正して健康な視力を得られる場合は特に大きな問題がないケースが多いです。近視や遠視などが原因で視力が0.1以下の人もいるので過度に心配する必要はなく、引き続き定期検診を受けておきましょう。
視力が気になる方は今回紹介したような方法をご検討して、なるべく快適に過ごせないか考えてみるのが良いと思われます。
近視の程度の大きい人は、将来的に網膜に異常が出やすい場合も考えられますので、定期的に信頼できる医師に診察してもらうというような、なんらかの異常が発生したときのためにすぐに対応できる体制にしておくことが大切です。
先進会眼科では患者さまのさまざまな選択をサポートできるよう、新しい設備を整えております。経験のある医師やスタッフが患者さまひとりひとりに寄り添い、対応いたします。視力が0.1以下で心配な方でも、お気軽に当院にご相談ください。
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日本眼科学会認定眼科専門医
日本白内障屈折矯正手術学会 理事
先進会眼科 理事長
略歴
聖マリア病院 眼科 外来医長
福岡大学筑紫病院 眼科
村上華林堂病院 眼科
福岡大学病院 救急救命センター
福岡大学病院 眼科
愛知医科大学卒業
福岡県立嘉穂高校卒業
医師資格番号
医師免許番号 381664
保険医登録番号 福医29357