レーシック後フラップがずれる原因|自覚症状や治療方法を紹介
レーシック手術について調べていて、フラップと呼ばれるふたについて目にしたことがあるかもしれません。縫合をしなくて良いとあるので、術後ずれないのか心配になった方もいるでしょう。結論からいうと過度に心配する必要はありません。
ここではレーシック手術で作成するフラップの構造や、作成する目的など詳しく解説します。万が一ずれてしまったときの見え方や対処法もお教えしますので、レーシック手術を検討されている方は参考にしてみてください。
レーシックとは
レーシックとは近視の方が遠くをクリアに見えるようになるために行う手術のことです。
施術を受けるとメガネやコンタクトレンズなどを使用しなくても裸眼のままで遠くが見えるようになることが期待できます。メガネやコンタクトレンズにかかるランニングコストやケアの時間から解放され、朝起きて眼を開けた瞬間から寝るときに眼を閉じるまで良好な視界で過ごすことができるようになります。
レーシックの手術内容
レーシックの手術方法を手順とともに説明します。
方法:眼の最表面の角膜の厚みを薄くすることで光の屈折力を弱め、網膜にピントが合うようにする
手順:
- 点眼麻酔
- 角膜に切れ目を入れてフラップと呼ばれるふたを作成する
- フラップをめくり角膜にレーザーを照射して厚みを調整する
- フラップを戻し洗浄する
フラップは自然に吸着するため縫合などはしません。フラップを作成するレーシック手術の術式以外に、フラップを作成しないアイデザインPRKという手術の方法があります。アイデザインPRKではフラップを作成しないため、術後の角膜の強度は強くなりますが見え方が安定するまで1週間程度要するという特徴があります。
フラップとは
フラップとは、角膜の厚みをレーザー照射で調節するレーシックの手術で作成するふたです。
フラップは角膜を横から輪切り状に切れ目を入れて、最後まで切らずにふたになるように作成します。目的は5層の構造で構成される角膜の実質層と呼ばれる最内層を露出させることです。
- 角膜実質層:コラーゲン繊維でできている透明な組織。角膜の厚みのうち9割以上を占める。
角膜実質層にエキシマレーザーを照射することで厚みを調整します。レーシックは角膜の光を曲げる力を弱めることで網膜にピントを合わし、正視(遠くがよく見える人のこと)の状態に変化させる方法です。
日常生活でスラップがずれることはない
作成したフラップは縫合をしていないため、ずれてしまうのではないかと不安に思うかもしれません。しかし、通常の日常生活でその心配の必要はありません。
ボクシングなど眼に強い衝撃をともなうスポーツを職業にしている方には、フラップがずれる可能性があるため通常のレーシックではなくアイデザインPRKというフラップを作成しない術式をおすすめします。アイデザインPRKではフラップを作成しない分、衝撃や交通事故などに遭ってもずれることは考えられませんが、視力の回復までに数日を必要とすることが特徴です。
レーシック手術の術式について詳しく知りたい方はこちらのページをご覧ください。
フラップがずれてしまう原因
フラップが通常の日常生活でずれることは基本的にありませんが、術後すぐに強い衝撃を眼に受けた場合はフラップがずれてしまう可能性があります。
《注意が必要》
時期:レーシックの施術を受けた直後から1カ月程度
場面:交通事故、眼に衝撃をともなうスポーツ、格闘技など
レーシック後すぐは安定していない
レーシックで作成するフラップは、自然に吸着し接着されるので縫合を行いません。
このことはレーシックの安全性を高める一つの要因でもあり、手術時間が片眼約10分程度で終了し、患者様の負担をできるだけ少なく済ませるための理由でもあります。
しかし、フラップが吸着するまでの間は角膜が安定していませんので多少の注意が必要になります。フラップが安定するまでにかかる時間は個人差がありますが、だいたい約1週間程度は術後の眼をこすりすぎないように注意した方がよいでしょう。
目に強い衝撃を受けたとき
手術を受けた直後に、予期せず眼に強い衝撃を受けてしまったときはフラップがずれてしまうことが考えられます。
レーシックを受けた当日は車の運転は控えるようにしましょう。見え方が安定していないうちに運転すると交通事故の危険性があります。眼に衝撃を受けてフラップがずれる可能性も考えられます。翌日の診察で、医師と運転の開始時期について相談してからにしてください。
術後時間が経過している場合でも、打撲や交通事故によってフラップがずれる可能性はゼロではありません。時間経過とともにフラップの接着は増していきますが、完全ではないので注意が必要です。
フラップがずれた場合の対処法
フラップがずれてしまうと炎症や見え方に違和感がでることがあります。その際はなるべく早く医師に相談するようにしましょう。
《してはいけないこと》
- 自分で治そうとする
- 症状を放置する
これらのことをしてしまうと、治せたはずの状態がさらに悪化してしまう危険性があります。自覚症状がとても少ない場合でも、眼に強い衝撃を受けた場合は必ず医師に相談するようにしてください。
フラップがずれた際の自覚症状
フラップがずれると見え方に変化が起こったり、その他に症状が出たりすることがあります。
《見え方の変化》
- ゆがみ
- かすみ
- ぼやけ
- 物が二重に見える
《症状》
- 充血
- 痛み、または違和感
- 涙が出る
代表的なこれらの自覚症状がなく、イレギュラーな症状を自覚する可能性もあります。少しでも違和感がある場合はなるべく早く医師に相談するようにしましょう。
フラップのずれを戻す治療方法
フラップがずれた場合にはずれを治す治療を行います。
症状に合わせてフラップにしわがある場合は伸ばす処置をしたり、ずれている場合は元の位置に戻す手術や洗浄を行ったりします。
先進会眼科でレーシックを受けた患者様にはアフターケアの期間を設けております。フラップが通常の日常生活でずれることはほとんどありませんが、何か違和感があるときはなるべく早く医師にご相談ください。ご相談にかかる費用は手術費用に含まれているため、アフターケアの期間中は別途発生しません。
レーシック時の注意点
レーシックの施術を検討する際は、患者様の生活に合わせたレーシックの術式を選ぶことが大切です。
衝撃を受ける可能性のあるスポーツをする方も、そうでない方もフラップを作成しない術式を選ぶことが可能です。費用は多少高額になりますが、その後の長期間のことを考えると検討する価値はあると言えるでしょう。
フラップを作成する術式をお選びの患者様でも、当院で施術を受けた方にはその後も長期的に当院にて定期的な検診を受けていただき、日々の生活をお送りいただきたいと考えております。重要なことは信頼できる医療施設を選択して施術を受けることでしょう。
レーシックは自由診療になりますので、費用にも注意が必要です。
先進会眼科では両眼19.8万円~38.5万円(税込み)で行なっており、アフターケアと術後3ヶ月間の検診の費用も含まれます。先進会眼科でのレーシックの費用について詳しく知りたい方は下記のページもご覧ください。
合併症や副作用の観点では、角膜を削るため手術前の状態には戻せないこと、手術である以上失明のリスクがゼロと言い切れないこと、近視が戻る・ケラトエクタジア(医原性の不正乱視)・感染症・一時的なドライアイ・一時的なハローグレア(光のぎらつき)・角膜混濁の可能性があること、術後数週間は目元のメイクや激しい運動など制限されるものがあること、が挙げられます。
他にも、白内障治療や眼圧測定・緑内障検査では、角膜の形状を考慮し、レーシックを受けていない人とは違った方法を用いる必要があるため、必ずレーシックの経験があることをその医療機関や医師に伝える必要があります。
レーシック後違和感がある場合はすぐに医師に相談すること
施術を受ける前はフラップのことや手術のことが心配でも、実際に施術を受けた後は違和感なく快適に過ごしておられる患者様が多くおられます。
しかし、眼にフラップを作成して手術をしたことが気になった場合や、違和感があった場合は必ず医師にご相談ください。
まとめ
近視のわずらわしさからの解放が期待できるレーシック手術は長年悩まされた人にとっては嬉しい治療法です。一方で手術の危険性について、漠然とした不安を抱いたまま施術に踏み切れない方も多いでしょう。
先進会眼科では、患者様よりさまざまなご相談をお受けしております。また、レーシックのみではなく、その後の長い人生の中で起こる眼のトラブルや治療全般について、患者様の選択を広くお手伝いしたいと考えております。そのため、当院では新しい施設や機器を取りそろえております。
経験のある医師やスタッフが、患者様にご理解いただけるまで丁寧にお答え致しますので、レーシックをご検討の方は一度お問い合わせください。
視力回復・白内障など目の治療なら
先進会眼科へご相談ください
ご予約はお電話、Web予約、LINEで承っております。診療に関するご質問ご相談はLINEでのみ受け付けております。お気軽にお問い合わせください。
日本眼科学会認定眼科専門医
日本白内障屈折矯正手術学会 理事
先進会眼科 理事長
略歴
聖マリア病院 眼科 外来医長
福岡大学筑紫病院 眼科
村上華林堂病院 眼科
福岡大学病院 救急救命センター
福岡大学病院 眼科
愛知医科大学卒業
福岡県立嘉穂高校卒業
医師資格番号
医師免許番号 381664
保険医登録番号 福医29357