目の充血は2種類に分けられる!引き起こす原因7つと治し方を紹介
目を酷使したり、風邪や花粉症になったりすると目が充血することはありませんか?目の充血は大きく2種類に分けることができ、それぞれ起こり方が異なります。また、目の充血を引き起こす原因には7つあり、目の炎症が原因となっているもの、目の病気など原因はさまざまです。
今回は目の充血の種類2つと、目の充血を引き起こす原因7つを紹介するとともに、目の充血の治し方を種類別に解説します。本記事を参考に、気になる症状があれば医師に相談しましょう。
目の充血は大きく分けると2種類
目の充血は、起こる部位や症状によって「結膜充血」と「毛様充血」の2種類に分けられます。この章では、それぞれの特徴や症状を解説します。
結膜充血
結膜充血とは、白目とまぶたの裏側を覆っている結膜が、充血することで炎症を起こす病気です。一般的には「結膜炎」という病名で知られています。
結膜充血は、感染・アレルギー・乾燥・薬剤・機械的な刺激が原因です。白目の周辺部分、目の表層にできるのが特徴で、まぶたや結膜の炎症を反映して表層に赤く充血します。目ヤニや涙が増えるのも、結膜充血の特徴です。
毛様充血
毛様充血は、角層のまわりが充血することで炎症を起こす病気です。角膜障害や強膜炎、ぶどう膜炎、急性緑内障発作などが原因で起こります。まぶたの裏までは充血しないのが特徴で、涙は出ますが、目ヤニの症状は伴いません。
痛みや痒みはなく、白目がべったりと朱色に染まることが特徴です。結膜充血と比べ、目の深層で青紫色を帯びた充血が起こります。
目の充血を引き起こす原因7種類
目の充血はさまざまな原因で起こります。ここでは、目の充血を引き起こす原因を7つ紹介するとともに、それぞれの症状の特徴や原因も併せて解説しています。
疲れ
目を酷使したり、十分な休息が取れなかったりすると、目が充血することがあります。例えば、パソコンやスマホなどのディスプレイを長時間見続けている場合や、寝不足が続いてまとまった睡眠時間を取っていないなどの状態です。
目の疲れは、充血のほかにも視界がかすむ、ぼやけて見える、眩しく感じるなどの症状があります。このような症状が悪化すると、肩こりや首の痛み、ときには頭痛やめまい、吐き気などの症状が現れることもしばしばあります。
このような症状が現れて、十分な休息をとっても回復しないものを眼精疲労と呼びます。
結膜炎
結膜炎は、まぶたと白目の裏側を覆っている結膜が、充血して炎症を起こす病気です。粘り気のある黄色い目ヤニが増えるほか、目が赤く充血するのが特徴です。また炎症により、光に敏感になってチカチカしたり眩しく感じたりすることもあります。
結膜炎の原因は、黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌など身の回りに存在している細菌やアデノウイルスなどのウイルス、アレルギーなどです。
普段は涙によって目の外に排出されるため、炎症を起こすことはありません。しかし、体調不良や睡眠不足、疲労の蓄積などによって抵抗力が下がったり、すでに目に炎症が起きていたりすると起こりやすくなります。
角膜炎
角膜炎は、黒目を覆っている部分に炎症が起こっている状態です。
角膜は透明な組織で焦点を合わせるレンズの役割をしており、視力を維持するために役立っています。また、表面の角膜上皮障害や、涙によって外からの刺激や病原体から目を守る役割もあります。
角膜炎の原因は、大きく非感染性と感染性に分けられます。非感染性は、コンタクトレンズの手入れが十分ではない(あるいは長時間着用している)、ドライアイの悪化、紫外線への曝露、目にほこりやまつ毛が入っているなどが挙げられます。感染性の場合では、細菌やウイルス、カビなどが挙げられます。
症状は、目の痛みのほか、ゴロゴロとした違和感、充血、眩しく感じるなどです。
ぶどう膜炎
ぶどう膜炎は、虹彩、毛様体、脈絡膜からなる「ぶどう膜」と呼ばれる部分に炎症が起きる病気です。そのほかに、脈絡膜のそばにある網膜や、目の外側の壁となっている強膜に起こる炎症も含みます。
ぶどう膜炎の原因は、細菌やウイルス、寄生虫などの病原菌によるものと、免疫異常などによるものとがあります。しかし、全体の30〜40%は原因が分かっていません。免疫異常によるものは、「ベーチェット病」「サルコイドーシス」「原田病」が全体の40%を占めており、この3つを3大ぶどう膜炎と呼びます。
症状は、程度や起こる部位により異なりますが、目がかすむ、眩しく感じるなどがあります。また、目の充血や目の痛み、飛蚊症などの症状も特徴です。
結膜弛緩症
結膜弛緩症とは、白目の粘膜部分がたるんでブヨブヨになった状態です。本来、結膜には適度なゆるみがあり、眼球が上下左右に動きやすいようにサポートしています。このゆるみがひどくなった状態が結膜弛緩症です。
高齢者に多く、加齢に伴って増える傾向がありますが、はっきりとした原因は分かっていません。コンタクトレンズの使用で目に負担がかかっていることも原因ではないかと考えられています。
結膜弛緩症になると、目の異物感や不快感が起こります。また、涙の量が増えるなどの症状があります。
翼状片
翼状片は、目頭側の眼球結膜から角膜に向かって、三角形の血管を伴った増殖組織が伸びてくる病気です。この血管は、目の血管では太い部類のため、常に目が充血して見えるのが特徴です。
はっきりとした原因は分かっていませんが、紫外線が関係しているのではないかと考えられています。高齢者に多い病気です。
初期には目立った症状はありませんが、症状が進行すると、炎症部分が盛り上がります。その際、まばたきをするときに異物感がありますが、痛みは基本的にありません。
緑内障
緑内障は、視神経に障害が起こり、視野が狭くなる病気です。視神経は、目から入ってきた情報を脳に伝達する役割があります。この部分が障害されることで、視野が狭くなり、治療が遅れると最悪の場合失明に至ることもあります。
病気の進行がゆっくりであるため、悪化するまで自覚症状はほとんどありません。白内障と同じく中高年に多い病気のため、定期的に眼科検診を受けましょう。
種類別!目の充血の治し方
目の充血は症状によって治療法が異なります。ここでは、「疲れによる目の充血」と「病気による目の充血」の2つの治し方を紹介します。
疲れによる目の充血を治す方法
疲労により目の充血が起こっている場合は、まずは十分な休息が必要です。パソコンやスマホの画面を長時間見ることで目を酷使している人は、一時的にそうしたものから離れましょう。睡眠不足が原因の場合は、しっかりと体を休め規則正しい生活を心がけましょう。
また、目薬を使用すると効果的です。パンテノールやタウリン、塩酸テトラヒドロゾリンやナファゾリン塩酸塩という成分が入った目薬を使用することで、目に栄養を与えながら炎症を抑えてくれます。
病気による目の充血を治す方法
病気による目の充血を治すには、眼科を受診し専門医の診察を受けましょう。病気が原因で目が充血している場合は、市販の目薬だけでは改善が難しいです。
病院で詳しい検査を受けた上で、病気に合った治療法を選択しましょう。
目の充血と似ている結膜下出血とは
結膜下出血は、結膜下の小さい血管が破れて出血したもので、白目部分がペンで塗ったように赤く染まります。目の異物感や違和感がありますが、痛みはほとんどありません。
原因はくしゃみや咳、過度な飲酒、月経、水中メガネの絞り過ぎなど些細なことで出血します。結膜下に起こる出血は、眼球内部に滲出することはないため、視力の低下も伴いません。
通常は、1~2週間ほどで自然に吸収されますが、2~3か月ぐらいかかることもあります。自然に吸収されるため、ほとんどの場合心配はいりません。
まとめ
目の充血は大きく2種類に分けることができ、結膜に起こるものと毛様体に起こるものとに分けられます。また、目の充血を引き起こす原因は複数あり、疲労が原因で症状として現れているものや、目の病気が原因でなっているものなどさまざまです。
目の充血は、一時的な症状の場合もありますが、病気の症状として起こることがあります。十分な休息をとっても改善しない場合は早めに医師に相談しましょう。
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日本眼科学会認定眼科専門医
日本白内障屈折矯正手術学会 理事
先進会眼科 理事長
略歴
聖マリア病院 眼科 外来医長
福岡大学筑紫病院 眼科
村上華林堂病院 眼科
福岡大学病院 救急救命センター
福岡大学病院 眼科
愛知医科大学卒業
福岡県立嘉穂高校卒業
医師資格番号
医師免許番号 381664
保険医登録番号 福医29357