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先進会眼科コラム

円錐角膜で障害年金の受給が難しい理由|障害年金の概要や受けられる支援を紹介

円錐角膜で障害年金の受給が難しい理由|障害年金の概要や受けられる支援を紹介

円錐角膜と診断されて、日常生活に支障が出ている方の中には、障害年金の申請をお考えの方もおられます。

今回は、目の病気、特に円錐角膜で障害年金を受給できるのか知りたいという方に向けて、そもそも障害年金とは何か、障害年金の受給要件について簡単に解説するとともに、円錐角膜にかかった際に受けられるサービスについてもまとめました。

障害年金とは

障害年金とは、病気やけがによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に受け取ることができる年金です。

障害年金には「障害基礎年金」「障害厚生年金」の2種類があります。病気やけがで初めて医師の診療を受けたとき(初診日)に国民年金に加入していた場合は「障害基礎年金」、厚生年金に加入していた場合は「障害厚生年金」を請求することができます。

なお、障害厚生年金に該当する状態よりも軽い障害が残ったときは、障害手当金(一時金)を受け取ることができる制度があります。また障害年金を受け取るには、年金の納付状況などの条件が設けられています。

障害年金の認定基準

障害年金の認定基準は、国民年金法施行令別表で定められた障害等級表によって定められます。この障害等級表で示される等級は、身体障害者手帳の等級とは異なります。また、障害の程度が該当しても、年金未納があったり初診日・障害認定日が要件に合致しないと認定されません。

障害基礎年金は、障害等級表のうち1〜2級に該当する場合に支給されます。1級は「他人の介助を受けなければ日常生活のことがほとんどできないほどの障害」、2級は「必ずしも他人の助けを借りる必要はなくても、日常生活は極めて困難で、労働によって収入を得ることができないほどの障害」という状態です。

障害厚生年金は、障害等級表1、2級に該当する場合は障害基礎年金に上乗せして支給となります。また、障害等級表3級の場合は、障害厚生年金のみが支給となります。また、障害厚生年金の基準よりも軽い障害が残った場合には、障害手当金(一時金)が支給されます。

視覚・視野

視覚・視野に関係する障害の程度1〜3級の認定基準は以下の通りです。なお、いずれの場合も、視力の測定は万国式試視力表によるものとし、屈折異常があるものについては矯正視力によって測定する決まりとなっています。

障害の程度1級:両眼の視力の和が0.04以下のもの
障害の程度2級:両眼の視力の和が0.05以上0.08以下のもの
障害の程度3級(厚生年金加入者のみ):両眼の視力が0.1以下に減じたもの

さらに、厚生年金加入者については上記1〜3級に該当しない場合でも、以下の基準に該当すれば障害手当金の対象となります。

詳細は、下記ページの「(3)厚生年金保険法施行令別表第2〔障害手当金〕」をご参照ください。

厚生労働省|国民年金法施行令別表

  • 1.両眼の視力が0.6以下に減じたもの
  • 2.一眼の視力が0.1以下に減じたもの
  • 4.両眼による視野が二分の一以上欠損したもの又は両眼の視野が10度以内のもの

その他の目の障害

厚生年金加入者については、上記ページの「(3)厚生年金保険法施行令別表第2〔障害手当金〕」により、視野・視力の障害以外に以下の場合について障害手当金の支給対象となります。

  • 3.両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
  • 5.両眼の調節機能及び輻輳機能に著しい障害を残すもの

申請方法

障害年金を申請するには、年金請求書のほか、年金手帳、戸籍謄本など生年月日が明らかにできる書類のほか、医師の診断書や受診状況等証明書など、複数の書類を提出する必要があります。また、場合によって必要な書類が異なります。年金請求書は年金事務所または街角の年金センターにありますので、障害年金の請求をご検討されている方は、一度足を運んで説明を受けた方が良いでしょう。

障害基礎年金の請求書の提出先は、基本的には住所地の市区町村役場の窓口となります。障害基礎年金のうち初診日に国民年金第3号被保険者期間中の場合、また障害厚生年金の請求書の提出先は、年金事務所または街角の年金センターとなります。

円錐角膜とは

円錐角膜とは、黒目の上にある角膜の中央部分が薄くなり、角膜が前の方に飛び出る生まれつきの病気です。

角膜は、5層構造(角膜上皮細胞・ボーマン膜・角膜実質・デスメ膜・角膜内皮細胞)の透明な膜です。正常な角膜の厚さはおよそ0.5ミリ程度です。眼の中にあるコラーゲンを溶かす酵素(コラゲナーゼ)が、何らかの原因で角膜の繊維(コラーゲン)を溶かしてしまうことで、角膜が薄くなります。薄くなった角膜が中からの圧力に負けて前方へ出っ張ることで、角膜の形が正しいアーチ型から歪んでしまい、視力低下などの症状が現れます。

思春期に発症することが多く、症状は10年以上かけてゆっくりと進行していきます。30歳を過ぎる頃から進行が止まることが多いといわれていますが、これには個人差があり、40歳前後まで症状が進行することもよくあります。 日本での発病率は、約1万人に1人程度です。男女比はおよそ3:1と男性に多い病気です。

円錐角膜の原因

円錐角膜の原因はよくわかっていません。家族内で発症することもありますが、遺伝性であるケースは約6%程度といわれています。 特定の結合組織疾患(エーラス-ダンロス症候群,マルファン症候群,骨形成不全症など)やダウン症候群、視覚異常を伴う先天性疾患(レーベル遺伝性視神経症,未熟児網膜症 ,無虹彩症など)、閉塞性睡眠時無呼吸症候群などとの合併が知られています。思春期以降の発症が多いことから、性ホルモンと関係があるという説も有力です。

円錐角膜と関係が深いのが、アトピー性皮膚炎を含むアトピー性疾患です。アトピー性皮膚炎の患者さんの0.5%程度に円錐角膜が見られます。一般の人と比べ10倍以上高い発症率です。目をよくこするなどの物理的な刺激も、円錐角膜の原因となるとされています。

円錐角膜の症状

円錐角膜の主な症状は、乱視です。角膜がゆがむことで光が正しくない方向へ屈折し、乱視となります。その結果、視力が低下していったり、ものが歪んで見えたりします。症状は、10年以上かけてゆっくりと進行していきます。症状は両方の目に等しく出るというわけではなく、左右差があることも多いです。

円錐角膜による乱視は、角膜が歪んだ円錐形となるために光の屈折が大きく乱れることによって起こる不正乱視であり、眼鏡では完全に矯正することができません。中等症くらいまでは特殊なハードコンタクトレンズでの視力矯正が可能ですが、重度になると、ハードコンタクトレンズを使っても視力の矯正が難しくなります。

初期

「最近太陽の光や照明の光がまぶしく感じる」「見え方がどんどん悪くなっている」というのが円錐角膜の初期の代表的な症状です。「物が二重に見える」と訴える方もおられます。いずれも一般的な視力低下の症状ですので、通常の屈折異常(近視・乱視・遠視)と円錐角膜の症状の違いを自覚症状だけでみるのは難しいです。

中期以降

病気が進行すると、視力がさらに落ちるとともに、眼鏡やコンタクトレンズで視力を矯正することが難しくなります。角膜の内側に少しずつ裂け目ができて傷あと(瘢痕:はんこん)が残り、角膜から入る光がさらに複雑に曲がってしまうからです。

病気がさらに進み角膜の突出が強くなると、急性水腫という合併症を引き起こすこともあります。急性水腫とは、角膜のデスメ膜が破れ、中に水が溜まることで、角膜が突然白く濁る状態です。症状は、急激な視力低下です。

また、角膜の中央部分が薄くなっていくことで、角膜拡張症(ケラトエクタジア)を合併することがあります。レーシック後などにもまれに見られるものですが、角膜が薄くなりすぎて眼圧に耐えられなくなることで変形し、角膜の後面が前に突出して乱視や強度近視となります。

コンタクトレンズ以外の治療法では、自費診療にはなりますが、角膜内リング、角膜クロスリンキング、フェムトレーザー角膜移植といった選択肢があります。

角膜内リングは2つのリングを用いて角膜の形状を矯正する方法です。

注意すべきこととしては、

  • 乱視や近視を減らすことが期待できても裸眼で生活できるようにはならないこと
  • 術後視力が安定するまで約1か月かかること
  • 夜間光が滲んで見えること、見え方の質の低下、感染症、眼圧上昇、乱視の可能性があること

挿入したリングで矯正不足や痛みがある場合はリングの除去や交換をすることもあり、眼を擦ることでリングの位置が移動する合併症が起こる可能性もあります。

角膜に個人差があるため、角膜内リングの効果にも個人差があります。

角膜クロスリンキングは、リボフラビン点眼と長波長紫外線を用いた方法です。

角膜内リングに似ている点もありますが、術後に注意すべきことは下記の通りです。

  • 手術後1週間ほどの異物感、しみる感じ、痛み、ぼやける、見えにくいこと
  • 光が少しにじんで見えることやまぶしいこと、見え方が変わること、術後1ヵ月ぐらい近視化した後に遠視化すること、感染症、乱視、矯正視力の低下、角膜内皮細胞の障害、角膜混濁などの可能性
  • 視力低下や見え方の歪みの改善は難しいこと

アトピーやアレルギー体質などで目を頻繁にこする癖のある方は、角膜クロスリンキングを施行しても円錐角膜が進行することがあり、注意が必要です。

進行予防効果は期待できますが、中には再進行や無効例の報告があります。

フェムトレーザー角膜移植はレーザーを用いた角膜移植のことで、国内ドナーであれば保険適用、海外ドナーなら保険適用外となります。

医療機関によっては採用している方法が一方だけであることもあり、また、どちらも特徴が異なりますので、受ける際は医師に詳しい説明を受けましょう。

注意点としては、多少の乱視、拒絶反応、眼圧上昇や緑内障、眼底疾患(眼内出血・眼底出血など)、感染症、角膜潰瘍、角膜上皮欠損、耐性菌による疾患、移植片不全、免疫抑制剤の副作用、抜糸後の癒着が不十分なこと、眼球の打撲等による創口が開くこと等の可能性があります。

もし角膜移植を受ける場合は、信頼できる医師から詳しい説明を受けましょう。

上記に限らず、眼の手術全般に言えることですが、失明につながる可能性もゼロとは言い切れません。

また、先進会眼科における円錐角膜治療の費用は以下の通りとなっております。

  • 角膜クロスリンキング
    片眼:165,000円(税込) 両眼:330,000円(税込)
  • 角膜内リング
    片眼:539,000円(税込) 両眼:1,078,000円(税込)
    角膜内リングは発注時に片眼につき前金5万円をお預かりします。発注後のキャンセルはできません。
  • フェムトレーザー角膜移植
    片眼:1,100,000円(税込) 両眼:2,200,000円(税込)

円錐角膜や費用については下記のページもご覧ください。

先進会眼科|円錐角膜治療

円錐角膜で障害年金を受給できることが少ない理由

円錐角膜だけで障害年金を受給できることは少ないです。理由は、円錐角膜では重症の場合でも、障害等級表1〜3級の条件を満たすことが難しいからです。

身体の他の部位や精神の障害をすでにお持ちの方の場合は、それらの障害が重複して「他人の介助を受けなければ日常生活のことがほとんどできないほどの障害」、または「必ずしも他人の助けを借りる必要はなくても、日常生活は極めて困難で、労働によって収入を得ることができないほどの障害」という状態となれば、支給要件を満たす可能性があります。

円錐角膜で受けられる支援(障害者総合支援法)

円錐角膜は、2015年7月から障害者総合支援法の対象疾患となりました。

これにより、条件を満たす場合にコンタクトレンズが補装具として支給されることがあります。支給対象となるかどうかの判断は、お住まいの自治体によって異なります。

申請に当たっては医師の意見書などが必要となりますので、申請をお考えの方は、まずは主治医の先生とよく相談することをおすすめします。

まとめ

以上、円錐角膜と障害年金についてまとめました。円錐角膜で見え方が悪く日常生活に支障が出ており、障害年金の請求をお考えの方は、現在の視野・視力がそもそも請求要件に該当しているかどうかの正確な診断が必要となります。

先進会眼科では、新しい診断機器とこれまでの経験を活かして正確な診断と治療法のご提案を行っています。ぜひ一度、当院までお越しください。

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岡 義隆
執筆:岡 義隆

日本眼科学会認定眼科専門医
日本白内障屈折矯正手術学会 理事
先進会眼科 理事長

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