異なる視力の見え方比較|症状別に見え方の異常が起きる原因も紹介
「最近手元が見えない」「急に目がかすんできた」など、目の見え方の異常は自分でも比較的わかりやすい症状の一つです。
今回は、ものの見え方に違和感を感じている方に向けて、見え方の異常を引き起こしている原因をわかりやすく解説します。またその中でも急いで眼科を受診した方が良い症状についてもまとめました。ご自身の症状と比べて参考にしてみて下さい。
異なる視力の見え方比較
「見え方がおかしい」と思っても、自分の見え方がどのようにおかしいのかを具体的に説明するのは難しいですよね。
ここでは、よくある見え方の異常の一つである視力低下(視力0.1)と正常の視力(視力1.0)の見え方の違い、また近視と乱視の見え方の違いを説明します。
視力0.1と1.0の見え方の違い
視力0.1と1.0の見え方の違いを具体的に表現するには、学校の教室での見え方の例えがわかりやすいです。
例えば正常の視力(視力1.0)があれば、学校の教室の一番後ろの席から黒板の字がはっきり読めます。一方で視力低下(視力0.1)の場合は、教室の真ん中より前の席にいても、黒板の字が読めません。
近視と乱視の見え方の違い
近視は網膜よりも手前で焦点が合うため、遠くがぼやけて見えます。しかし、近くは網膜に焦点が来るため、はっきりと見えます。
一方で、乱視はそもそも一カ所で焦点が合わないため、遠くも近くも関係なく、像がブレたり二重になったりします。
症状別!見え方に異常が起きる原因
「見え方がおかしい」と一言で言っても、いろいろな見え方のおかしさがあります。ここでは、見え方がどんな風におかしいかによって、見え方に異常が起きる原因を簡単に解説します。
かすんで見える原因
ものがかすんで見える原因は、急に発症したのかゆっくりと進んできたのかによって異なります。また、かすんで見えるのと同時に痛みや充血などの他の症状があるかどうかも大事なポイントです。
急に発症した場合は、結膜炎やぶどう膜炎、急性緑内障発作、網膜疾患、視神経炎など急に生じた眼の病気の可能性があります。かすみ目が徐々にゆっくりと進んできた場合は、白内障などが考えられます。
かすみ目と同時に痛みや充血がある場合には、結膜炎、ぶどう膜炎、急性緑内障発作、視神経炎など病気の可能性があります。症状がある場合には必ず眼科を受診してください。
近くが見えにくい原因
近くが見えにくい原因として最も多いものは、老眼(老視)です。老眼は、眼の調節機能が低下して近くのものにピントが合わなくなるのが特徴です。老眼の原因は加齢であり、40歳前後から症状を自覚する方が多いです。
遠くが見えにくい原因
遠くが見えにくい原因は、急に出た症状なのか、ゆっくりと見えなくなってきたのか、という点で異なります。
数分や数日といった短い期間で急に生じた視力の低下は、角膜の傷や感染、急性緑内障発作、硝子体出血(眼の中の出血)、網膜の血管閉塞、網膜剥離、視神経症、脳卒中や一過性脳虚血発作など、緊急を要する病気の可能性を疑います。すぐに眼科を受診して下さい。
ゆっくりとした視力低下の原因として最も多いのは加齢に伴う白内障ですが、左右の眼で見え方が異なる場合や、ものを見たときの歪みや視野の欠けがある場合、充血や痛みなどがある場合は、他の病気の可能性があります。早めに眼科を受診して、詳しい検査を受けましょう。
まぶしく見える原因
まぶしく見える原因としては、動眼神経麻痺、白内障、緑内障、ぶどう膜炎、黄斑変性・萎縮、角膜上皮びらん、ドライアイ、角膜感染症などがあります。
まぶしく見えると同時に痛みがある場合は、角膜感染症をはじめとした角膜に傷がついている場合や緑内障、ぶどう膜炎などの緊急を要する眼の病気の可能性があります。すぐに眼科を受診して下さい。
黒い影が見える原因
黒い影が見えるという症状は、見えない点がある暗点と、視界に動くモノが見える飛蚊症の2つの可能性があります。
暗点の原因となる病気には、黄斑円孔、黄斑浮腫、黄斑前膜、高度近視、加齢黄斑変性、網膜細動脈瘤、中心性漿液性脈絡網膜症、視神経炎、視神経症などがあります。
飛蚊症の原因には、生理的飛蚊症、網膜剥離、網膜裂孔、ぶどう膜炎、硝子体出血、糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症などがあります。
ものが二重に見える原因
ものが二重に見える複視の原因としては、乱視、白内障、斜視、甲状腺眼症、脳梗塞、脳動脈瘤、脳腫瘍、重症筋無力症などがあります。
両目で見ると物が2つに見える場合(両眼性複視)には、斜視か左右の屈折値のズレが考えられます。斜視の原因はいろいろありますが、急に起こる場合は脳や神経の異常(脳梗塞、脳動脈瘤、脳腫瘍、重症筋無力症など)可能性もあるので、脳のMRIやCTを行う場合もあります。
甲状腺眼症など外眼筋が炎症を起こす病気や、糖尿病による神経障害が原因となっていることもあります。
片目だけでも2つ以上に見える場合(単眼性複視)に多いのは、乱視と白内障です。
ものが歪んで見える原因
ものが歪んで見える原因としては、黄斑円孔、黄斑浮腫、黄斑前膜、加齢黄斑変性、網膜剥離などがあります。緊急を要する病気が多いので、ものが歪んで見えたらすぐに眼科を受診しましょう。
視野が欠ける原因
視野が欠ける原因としては、急に視野が欠けた場合は網膜剥離、硝子体出血、糖尿病網膜症、網膜静脈分枝閉塞症、閃輝性暗点、脳梗塞などが、徐々に視野が欠けた場合には緑内障、網膜剝離、網膜色素変性、脳腫瘍などの可能性があります。
視力低下や見え方の異常に関する注意点
視力低下や見え方の異常を感じた時の注意点をわかりやすくお話しします。重要なポイントは、「見え方に違和感があれば放置しない」「自覚症状がなくても定期健診を受ける」ことの2つです。
見え方に違和感があれば放置しない
一番大切なことは、「見え方に違和感があれば放置しない」ことです。見え方の違和感が、目の重大な病気から生じていることもあります。手当てが遅れると失明に至る病気も少なくありませんので、「見え方がおかしいな」と思ったらすぐに眼科を受診しましょう。
特に急にものがかすんで見えた時、数分や数日といった短い期間で急に視力が落ちたと感じた時、ものがまぶしく見えると同時に痛みや充血がある場合、急にものが2つに見えるようになった場合(特に両目で見ると2つに見える場合)、ものが歪んで見える場合は急を要する病気の可能性がありますので、できるだけ早く眼科を受診して下さい。
自覚症状がなくても定期健診を受ける
もう一つのポイントは、「自覚症状がなくても定期健診を受ける」ということです。視野の欠けなどは自分では気がつかないうちに進行していることもよくあります。
また徐々に進行するタイプの目の病気もありますので、眼科のかかりつけ医を持ち、年に一度程度は定期健診を受けましょう。
まとめ
以上、視力と見え方の異常について、症状と考えられる病気を簡単にまとめました。急に進行した症状の場合は失明などの可能性がある病気も考えられますので、すぐに眼科を受診しましょう。
また自覚症状がなくても、年に1度は定期検査を受けることをお勧めします。先進会眼科では、経験のある医師が新しい診断機器を揃えてお待ちしております。自覚症状がなくても、お気軽にお越しください。
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日本眼科学会認定眼科専門医
日本白内障屈折矯正手術学会 理事
先進会眼科 理事長
略歴
聖マリア病院 眼科 外来医長
福岡大学筑紫病院 眼科
村上華林堂病院 眼科
福岡大学病院 救急救命センター
福岡大学病院 眼科
愛知医科大学卒業
福岡県立嘉穂高校卒業
医師資格番号
医師免許番号 381664
保険医登録番号 福医29357