緑内障と言われてびっくりしていますか? <前編>
そもそも緑内障とは?
「あなたは緑内障です」そう言われて目の前が真っ暗になった・・・。
眼科医として患者様を診察していると、そういったお話を患者さんから伺う事があります。確かに病気を告げられてなんとも無い人はいません。自覚症状が乏しいにも関わらず、失明に繋がることが知られている『緑内障』という病名を告げられ、お先真っ暗になる気持ちは重々理解しております。
知らないこと、どうしたら良いかわからないことで前向きになれないこともあるかと思います。今回は緑内障について知っていただくために、解説してみました。
緑内障とは?
周りに「緑内障と診断されてしまって・・・」「緑内障の気があると言われて・・・」 という方はいらっしゃいませんか?
緑内障の方は40歳以上の20人に1人は居らっしゃることが分かっています。つまり、街を歩いていて、電車やバスに乗っていて、スーパーやデパートに行って、1日にすれ違う人の中に緑内障の人はいらっしゃいます。もちろん皆様がよく知っている政治家や芸能人、そしてわれわれ眼科医にも。
緑内障の患者様は、緑内障という病気と付き合いながら、大きな不自由なく生活していらっしゃる方が多くいますので、誰もが同じように緑内障と付き合う事が出来ると考えております。
「病院が怖くて」と、忌み嫌って医療機関に行かなかった、という患者様に出会うことがあります。緑内障という病気は痛みや急に見えなくなる、などといった症状が出る訳ではないので、知らぬ間にじわじわと進んでしまいます。そして眼科医のもとにいらして、気付いた時には結構進んでいる・・・。私たち眼科医が最も減らしたい症例でもあります。
さて、皆さんがよくご存知の「白内障」は目の中のレンズが濁る病気です。ですので、濁りを吸い出して透明なレンズを入れたら見えるようになります。
一方、緑内障ってどうなるのでしょう?緑に見える??
(緑内障がなぜ緑の文字を書くのか、は諸説ありますので別の機会があれば紹介いたします)
緑に見えるわけではありません。緑内障は視神経が傷む疾患です。目と脳を繋ぐ通信ケーブルの役目をしている視神経の目の中に広がっている神経線維がダメージを受けるのが、緑内障です。身体のあらゆる他の部位でも神経が傷むと回復しにくいのと似ています。目の神経も再生したりリハビリで改善すると言うものではありません。緑内障とは視神経のダメージで視野が狭くなっていく病気なのです。
どうして緑内障になるの?
「では、緑内障の原因は?なんで私が緑内障になったのでしょう?」
これもよく尋ねられる質問です。これに対する答えは、「正直ハッキリと断定はできません」です。一つの単一な因子だけでなく、家族歴、遺伝性、人種、近視の強さ、眼圧、血流、生活習慣、(他にももっとたくさん)などなど色々な要素が絡んで影響を及ぼしてきます。
では、治療法がないのでしょうか?
全く元どおりに、完全に治すことは今の医学と技術では難しいのです。
完全に元通りには出来ないけれど、進行速度を遅くさせる、眼圧と房水をコントロールし緑内障の進行を抑える事はできます。「視野欠損の進行を遅くする」「コントロールする」事、これが緑内障の治療であります。
では治療は?
緑内障の治療については点眼、レーザー、手術とありますが、長くなってきていますので、治療については別のコラムをで解説したいと思います。
先に書きましたように、緑内障を知ることで「怖い」という感情は減るのではないでしょうか。緑内障はコントロールができます。また、うまくコントロールするためには何よりも早期発見が重要です。40歳を超えましたら、眼科での検診を定期的に受けていただく、健康に気をつける、セルフチェックを行う、などできることがたくさんあります。
また先進会眼科東京・先進会眼科名古屋・先進会眼科大阪・先進会眼科福岡・岡眼科では早期発見を定量的、客観的、再現性高く行うために従来の検査に追加して、3次元眼底画像解析装置を応用した視神経乳頭神経線維層の解析や網膜神経線維層の解析を行い、発症前の超早期の緑内障まで診断可能です。
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日本眼科学会認定眼科専門医 医学博士