白内障手術は痛い?治療法の詳細も解説
麻酔をかけて行う白内障手術は、痛みの少ない治療法です。
この記事でわかること
- 白内障自体に痛みはある?
- 白内障の原因と発症メカニズム
- 白内障の治療法
- 白内障の進行を遅らせる方法
白内障の煩わしさから、手術による治療を検討されている方も多いのではないでしょうか。
手術を受ける際は、大切な目にメスを入れるわけですから、なにかと不安ですよね。
この記事では、「白内障手術は痛いの?」という疑問にお答えするとともに、白内障の進行を遅らせる方法も紹介します。
治療に際しての懸念を払拭し、安心して手術を受けるためにも、ぜひ最後までお読みください。
白内障自体に痛みはある?
白内障にかかると、視界が霞んだり、対象物が二重に見えたりするという症状こそ呈するものの、幸いなことに痛みは伴いません。
しかし、それゆえ初期症状は見落とされがちであり、気づかぬうちに症状が進行してしまうケースもしばしばあります。
水晶体の混濁により引き起こされる白内障は、加齢とともに罹患するリスクが上昇していく病です。
50代で約50%、80代ともなるとほぼ100%の方が発症するという事実が物語る通り、もはや“目の国民病”といっても差し支えないでしょう。
白内障の原因と発症メカニズム
先述した通り、白内障の直接的な原因は、ピント調節機能を担う水晶体の混濁です。
この濁りは、水晶体を構成するたんぱく質が、加齢や外傷、アトピー、糖尿病、ステロイド剤使用などを引き金として変性することで引き起こされます。
ひとたび水晶体が混濁すると眼内で光が乱反射するため、網膜に像が正しく結ばれずに、視力低下やまぶしさを覚えるなどの諸症状を呈するのです。
白内障の治療法
白内障には、下記のような治療の選択肢があります。
- 手術
- 薬物療法
痛みの有無も含め、それぞれの治療法の詳細を押さえておきましょう。
手術
白内障を根本的に改善できる唯一の治療法が、手術です。
眼科医療の発展に伴い、目にかかる負担が少なくなったことで、安心して治療を受けられるようになっています。
白内障手術では、レーザーや超音波で白濁した水晶体を分割、吸引したのち、人工的に作られた水晶体である“眼内レンズ”に置換します。
所要時間は数十分分程度で、日帰りで受けることも可能です。
痛みの有無
白内障の手術中、痛みはほとんどありません。
また、麻酔時の痛みを気にされる方もいるかもしれませんが、手術に際しては、点眼による局所麻酔や鼻から吸引する笑気麻酔を用いるため、こちらの心配も無用です。
ただし、稀に手術後に痛みを訴える方もいらっしゃいます。
別途鎮痛剤を処方しますので、術後痛みがある場合は鎮痛剤を内服してもらいます。
薬物療法
ピレノキシンやグルタチオンといった有効成分を含有した医療用点眼薬による治療も、広く行われています。
作用機序は異なるものの、いずれも白内障の進行スピードを遅らせることが可能です。
点眼薬による治療はあくまでも対処療法であり、完治には至りませんが、手術を受けない場合には第一の選択肢となります。
白内障の進行を遅らせる方法
医療機関で受ける治療以外にも、白内障の進行を抑えるために、ご自身でできることがあります。
たとえば、健康な目の天敵である紫外線ケアです。
サングラスやつばのある帽子を着用することで、白内障の遠因ともなる紫外線への曝露を大幅に減らせます。
並行して、アスタキサンチンやアントシアニン、ルテインなどの、目に良いとされる栄養素も、毎日の食事から摂っておきたいものです。
ファイトケミカルとよばれるこれらの成分は、その強力な抗酸化力により、眼内組織の老化や炎症を抑えて、白内障の進行を緩やかにする作用をもちます。
アスタキサンチンはサケやエビ、アントシアニンはブルーベリー、ルテインはほうれん草やブロッコリーに、それぞれ多く含まれています。
もし、食事から摂るのが難しい場合は、サプリメントで摂取することも可能です。
目に違和感をおぼえた場合は一度クリニックで検査を
白内障をはじめとした目の疾患は、早期発見と治療が肝心です。
視力低下や視界の霞みなどの諸症状に対して“見て見ぬふり”を続ければ、予後が悪くなるばかりではなく、衝突や転倒などの事故にもつながるため、大変危険です。
「以前よりも物が見にくくなってきた」「まぶしさを感じることが多い」
このような違和感を覚えたら、早めにクリニックを受診のうえ、必要に応じて適切な治療を受けてください。
白内障の手術は痛みが少ない!
今回は、白内障の手術に伴う痛みの有無について解説しました。
白内障により混濁してしまった水晶体を眼内レンズに置き換える手術は、主たる白内障治療として国内で広く行われており、ほとんどの場合痛みを伴いません。
また、完治には至らないものの、点眼薬の使用や紫外線対策、食生活の改善などにより、白内障の進行を遅らせることができます。
白内障は誰でもかかる可能性のある疾患であるため、違和感を覚えたら、お早めに医療機関を受診しましょう。
先進会眼科では、痛みの少ない眼科治療を提供しております。
白内障手術も行っているので、白内障にお悩みの方はぜひ一度ご相談ください。
日本眼科学会認定眼科専門医
日本白内障屈折矯正手術学会 理事
先進会眼科 理事長
略歴
聖マリア病院 眼科 外来医長
福岡大学筑紫病院 眼科
村上華林堂病院 眼科
福岡大学病院 救急救命センター
福岡大学病院 眼科
愛知医科大学卒業
福岡県立嘉穂高校卒業
医師資格番号
医師免許番号 381664
保険医登録番号 福医29357