ドライアイと老眼の関係は?両者の改善方法も紹介
ドライアイと老眼の発症に直接的な関係はありませんが、いずれにしても目の酷使には気をつけたいところです。
目薬の点眼やピント調節のトレーニング、目の周りの血行を促進して、両者の改善を図りましょう。
この記事でわかること
- ドライアイとは?
- ドライアイの原因
- ドライアイと老眼の関係
- ピント調節機能を改善する方法
- ドライアイや老眼になるリスクを上昇させる悪習慣
- 視力に異常をきたした場合は一度クリニックで検査を
目の乾きやかすみ、異物感といったドライアイの症状は非常に不快ですよね。
さらに、老眼の症状も出ている方は、「目の疲れをどうにかしたい」とお考えのことでしょう。
そこでこの記事では、ドライアイと老眼の関係性や、ピント調節機能の改善方法をご紹介します。
ドライアイや老眼の症状を少しでも和らげたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
ドライアイとは?
ドライアイとは、涙の分泌量や質の低下によって、目の表面を潤す力が弱くなった状態のことをいいます。
涙には、目の乾燥を防いだり異物を取り除いたりと、さまざまな作用があり、そのはたらきが低下すると以下のような症状が起こります。
ドライアイの症状
- 目が乾く
- 目がかすむ
- まぶしく感じる
- 目が痛い
- 目がゴロゴロする
- 目が赤くなる
- 目やにが出る
ドライアイは、頭痛やめまい、肩こりなどの身体の不調、ひいては角膜や結膜の損傷を引き起こす原因となる症状です。
「たかがドライアイ」と軽視せずに、目の異常を感じたら早めに眼科を受診しましょう。
ドライアイの原因
ドライアイは、環境、加齢、病気のいずれかが原因となって発症します。
なかでも、スマートフォンやパソコンの凝視でまばたきの回数が減ったり、エアコンで室内の空気が乾燥したりと、環境による影響が原因の大半です。
さらに、エアコンによって目の周りが冷えると、血行不良が起こり涙の表面を覆っている油分が分泌腺の開口部で固まってしまいます。
油分が不足した涙は蒸発しやすく、それによって目が乾きやすくなりますので、目の周りの冷えにも十分に気をつけたいところです。
また、加齢による涙の分泌量や質の低下、“スティーブンスジョンソン症候群”や“シェーグレン症候群”などの、涙腺が破壊される病気もドライアイになる原因です。
そのほか、上記で挙げた原因以外にも、交感神経が絶えずはたらいているために、涙の分泌が抑制されてドライアイになるのではないかともいわれています。
通常であれば、休息時にはたらく副交感神経が涙の分泌を促し、活動時にはたらく交感神経が涙を抑制します。
しかし、さまざまなストレスと向き合う現代人は、うまく休息できずに交感神経が活発に動きつづけ、涙が分泌されずにドライアイを引き起こす可能性があるのです。
このような原因でドライアイが発症し、身体や目の不調が引き起こされます。
ドライアイと老眼の関係
ドライアイと老眼に、因果関係はありません。
ですが、いずれも目の酷使によって症状の進行が誘発され、ピント調節機能に異常をきたすことで、視力の低下を招きます。
それぞれに直接的な関係はないものの、2つの症状が重なると、非常に目が疲れやすくなります。
老眼は、加齢に伴うピント調節機能の衰えによって、近くのものが見えにくくなる症状です。
しかし近年では、スマートフォンやタブレットが普及した影響で、20~30代頃から一般的な老眼と酷似している“スマホ老眼”になる人が増えつつあります。
スマホ老眼は、ピント調節機能の衰えをはじめ、自律神経の乱れや睡眠の質の低下といった、さまざまな不調の原因にもなります。
ドライアイと老眼、それぞれに関係性はありませんが、どちらの場合も目を酷使しないようにする、という点は共通事項として認識しておきましょう。
ピント調節機能を改善する方法
ここでは、目のピント調節機能を向上させる方法をご紹介します。
まず挙げられるのは、ピントを合わせるために不可欠な筋肉である、“毛様体筋”のはたらきを直接サポートしてくれる目薬です。
市販のものを購入する際は、毛様体筋の弛緩を促す作用がある、ネオスチグミンメチル硫酸塩やビタミンB12が含まれている目薬を選びましょう。
また、目のトレーニングも効果的です。
目から15cmほど離れたところに指やペンを立てて、そこにピントを合わせたあとに、今度は遠くにあるものにピントを合わせます。
遠近両方にピントを合わせる動きを1回5往復、それを1日10回程度行うと、毛様体筋に良い刺激を与えられますので、ぜひ毎日継続して取り組んでみてください。
そのほか、蒸しタオルやホットアイマスクを使用して、目の周りの血行を促進するのもおすすめです。
血行が良くなると、目の表面を保護する油分の分泌が促され、ドライアイから目を守ることができます。
ドライアイや老眼になるリスクを上昇させる悪習慣
スマートフォンやパソコンなどの機器を長時間にわたり使いつづけると、ドライアイになる可能性を高めます。
液晶画面を長時間凝視することで、ピントが一定の距離で固定され、調節機能がはたらかなくなるのです。
この状態が長く続くと、目のピント調節がスムーズに行えず目が疲れやすく、かつまばたきの回数が減り、ドライアイが発症しやすくなります。
液晶画面を見るときは、連続作業時間が1時間を超えないように調整して、次の作業までに10~15分の休憩をとるようにしましょう。
老眼は、老化に伴う生理現象の一つであるため、残念ながら発症は避けられません。
そこへさらに、乱れた食生活や血流の悪化が加わると目に栄養が届かなくなり、疲れ目やかすみ目、視力の低下を引き起こし、老眼が加速する原因になります。
そのため、バランスのとれた食事や、目の周りを温めて血行を促進させることが重要です。
視力に異常をきたした場合は一度クリニックで検査を
目の乾きをはじめ、痛みや視力の低下など、目の不調を感じたら放置せずにまずは眼科を受診しましょう。
万が一ドライアイを発症していた場合、自然に回復することはありません。
放っておくと悪化し、角膜や結膜が傷つくおそれがありますので、早い段階での受診が大切です。
ドライアイと老眼は無関係!それぞれに適したアプローチで改善を図りましょう
今回は、ドライアイと老眼の関係性や、ピント調節機能の改善方法についてご紹介しました。
ドライアイと老眼に直接的な関係はありませんが、どちらの場合も目の酷使は禁物です。
それぞれの症状にあわせて、ネオスチグミンメチル硫酸塩が配合されている目薬の点眼やピント調節のトレーニング、目の周りの血行を促進して、改善を図りましょう。
先進会眼科では、ドライアイにお悩みの方に対して、目薬の処方や涙点プラグ、IPL光線療法などを行っています。
ドライアイは、早期の発見と対処が大切です。
患者さまの症状の程度やタイプに合わせた改善方法をご提案いたしますので、目の不調を感じている方はぜひ一度ご相談ください。
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日本眼科学会認定眼科専門医
日本白内障屈折矯正手術学会 理事
先進会眼科 理事長
略歴
聖マリア病院 眼科 外来医長
福岡大学筑紫病院 眼科
村上華林堂病院 眼科
福岡大学病院 救急救命センター
福岡大学病院 眼科
愛知医科大学卒業
福岡県立嘉穂高校卒業
医師資格番号
医師免許番号 381664
保険医登録番号 福医29357